帰国後の奨学生を紹介する企画(帰国後、日本企業で働くことにチャレンジする民間人材)(10)

2017年9月19日

【奨学生たちの今を追う】ABEイニシアティブ(10):人とのつながりを大切にして成功をつかみとったABEイニシアティブ研修員(民間人材)

このシリーズでは、研修プログラム終了後も引き続き向上心を持ってがんばりつづけている奨学生たちの今を紹介します。
今回は、2016年7月にケニアに帰国したRobin Pik Kipkoechさん(国際大学経営学研究科修士(MBA))に焦点を当てます。彼は帰国して約1年後、2017年7月に、ICT(情報通信)を活用して社会価値の創造を目指すグローバル企業NECのアフリカ現地法人NEC Africa(Pty)Ltd.に就職しました。NECの強みは、100年以上におよぶ歴史の中で培った世界トップクラスのICTアセットや、それらを融合した高いインテグレーション力にあります。同社は世界中の顧客やパートナーと緊密に協力し、プロジェクトを推進して、現地のニーズに最適なソリューションを提供していきます。

(注)ABEイニシアティブ:アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(African Business Education Initiative for Youth)。アフリカ各国からの奨学生を、民間、政府、教育等の各分野で日本ビジネスの水先案内人に育てることを目的としている。
詳細は次のリンク先をご覧ください。

ABEイニシアティブの第1バッチに参加したKipkoechさんは、2016年6月に国際大学大学院で修士号(MBA)を取得しました。帰国後、留学前の会社に復職していく民間出身の仲間たちもいましたが、Kipkoechさんは、身につけた知識と経験をもっと活かせるチャンスを見つけられるはずだと思っていました。彼は、日本での留学を経て習得したITスキル、幅広い経験、そして実践的な専門知識を応用できる環境で働くという目標を達成するために、積極的にJICAケニア事務所が開催する帰国報告会やネットワーキングフェアの機会を活用しました。また、2016年8月のTICADVI開催時には、学術と産業の連携に貢献することが期待されるABEイニシアティブ研修員の一人として、高等教育と科学技術イノベーションを議論するプレイベントにも参加しています。
彼の転機は2016年8月12日にやってきました。その日KipkoechさんはJICAが主催するネットワーキング・セッションにおいてプレゼンテーションを行い、日本での経験や学んだこと、身につけたことについて発表しました。この発表が、後に彼を採用することとなるNEC Africa(Pty)Ltd.の入江支店長の目にとまり、それまで思い描いていた未来への扉を開いたのです。

JICAケニア事務所ABEイニシアティブチームは、NEC Africa(Pty)Ltd.での新しい仕事に就いたKipkoechさんを訪問してインタビューを行いました。彼はインタビューの中で、現在の仕事や仕事のやりがい、難しさについて熱心に語ってくれました。輝く彼の目からは、新たなキャリアのスタートを喜んでいることがとてもよく伝わってきました。

また、JICAケニア事務所ABEイニシアティブチームとのメールのやり取りのなかで、Kipkoechさんはこう語っています。「私は本当に入江さんに感謝しています。私はいままでのキャリアパスの中でも最高のチャンスをつかむことができたのですから、一生懸命働いて入江さんの信頼に応えたいと思います。」

NEC Africa(Pty)Ltd.の入江支店長もインタビューの中でこうおっしゃっています。
「彼は採用後、現場で即戦力になっています。もともとのIT系のバックグランドを有効活用しているのに加え、さらなる努力を惜しみません。チームワークにも長けていて、現在、当社が推進している顔認証セキュリティー技術の中核的なエンジニアになりつつあります。実はイギリスで認定エンジニアになるための専門トレーニングを受けてもらうことも決めました。
ABEイニシアティブ研修員には、当方が望んでいる人材も多いですね。1年近くをかけて5段階に渡る厳しい選考を突破し、2年間日本に留学している。その間、日本企業でのインターンシップも経験し、日本企業で働くためのマインドセットもできている。また次のネットワーキングの機会にもぜひ参加させていただきます。」

たくさんのABEイニシアティブ研修員がJICAのプログラムを通じて日本のビジネス界とつながり、新しい知見を得て様々な経験をしていることに恩恵を受けていることを、Kipkoechさんは喜んでいます。特に自身の日本企業への就職を踏まえ、既に帰国している仲間のみならず、これから続々と帰国する研修員には、JICAケニア事務所が主催する様々なネットワーキングフェアに毎回参加することで日本企業との関係を構築する機会が得られること、またその際には日本企業からの信頼を得られるよう誠実さをもって必要な役割を果たすことを伝えたいといいます。

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Kipkoechさん

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NEC Africaオフィスにて

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入江支店長とともにNEC Africaを支える貢献