帰国後の奨学生を紹介する企画(ABEイニシアティブ教育人材の日本・ケニア両国をつなぐ活躍)(11)

2017年11月15日

【奨学生たちの今を追う】ABE イニシアティブ(11):日本とケニアの学生をつなぐ架け橋「ペーパーブリッジワークショップ」(教育人材)

このシリーズでは、研修プログラム終了後も引き続き向上心を持ってがんばりつづけている奨学生たちの今を紹介します。
今回は、ABEイニシアティブ第1バッチ研修員Hesborn Ondibaさん(筑波大学生命環境科学研究科(SUSTEP)修士)に焦点を当てます。彼は筑波大学の修士課程を終え、その優秀さから指導教授の勧めもあり、新たな奨学金を得て同大学院の博士課程に進みました。そして今、筑波大学の学部生たちと大学院生(修士課程)たちのメンターとして、また日本とケニアの学生たちのワークショップをリードする架け橋として活躍しています。

(注)ABEイニシアティブ:アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(African Business Education Initiative for Youth)。アフリカ各国からの奨学生を、民間、政府、教育等の各分野で日本ビジネスの水先案内人に育てることを目的としている。
詳細は次のリンク先をご覧ください。

Hesborn Ondibaさん(筑波大学生命環境科学研究科(SUSTEP)修士)は、2017年3月にABEイニシアティブ第1バッチ研修員として筑波大学の修士課程を終え、その成果を活かして奨学金を取得し、同大学の博士課程に進学する貴重な機会を得ました。そして今は自分の研究を進める傍ら、メンターとして、大学内の学部生と修士課程の学生たちを指導するという、やりがいのあるチャンスに恵まれています。

当時、筑波大学では土木工学を学ぶ日本とケニアの学生たちのために新しいタイプの交流プログラムを作ろうとしていう動きがあり、Ondibaさんはその教授陣のうちのひとり、山本教授にめぐり合いました。そしてグループの一員として、大学や教授との議論を経て、学生たち自らが設計から製作まですべてを手がけ、紙で橋梁の模型をつくるという特別なシラバス「ペーパーブリッジワークショップ」を作り上げました。

2016年9月は「ペーパーブリッジワークショップ」の初年度で、学部と修士課程の日本人学生がケニアを訪れ、ジョモ・ケニヤッタ農工大(JKUAT)の工学部の学生たちに1週間、つきっきりでものづくりの方法を伝えました。このプロジェクトはJKUAT側では工学部学部長のIkua教授が開始したものです。そして2017年は規模を拡大し、10人の日本人学生が1週間のプログラムを教えるチームとして参加しました。JKUATからは土木学科、機械学科、農業・バイオ工学学科、メカトロニクス学科、建築学科を含む全工学部から計30人の学部生が参加しました。

プログラムが拡大すれば、研究上のコラボレーションを超えて、両国の学生、教授それぞれにおける交流の増加が期待されます。アフリカの他の国々へも同プログラムを拡大していく余地もあり、ABEイニシアティブ研修員のネットワークという橋渡しを活用すれば、大きなインパクトを起こすことも可能です。

これは学生主体の活動ですから、仲間同士の議論と学び合いが増え、日本人とケニア人の両方に自信が芽生えます。シラバス構成を担当する筑波大学修士課程の学生たちは、橋の模型をつくる技術を伝えるという学術上の交流それ自体と、そこから広がる若者どうしの文化交流という両面の目的を達成しようとがんばっています。このプログラムに参加したJKUATの学生たちの声を聞くと、彼らはみんなバラバラの専門分野でありながら、チームワーク、協力、文化交流、そして理論の実践を通して、みんなが恩恵を得られるとわかり、とても面白いといいます。一緒に問題を分析する過程で、自分が学んでいる工学という分野において、どうやって遠大な夢を実現することができるのか、その方法を学んでいるのです。

Ondibaさんはこのプログラムを通して、ケニアと日本の架け橋として筑波大学で活躍し、日本とアフリカを橋渡しするというABEイニシアティブの目標を達成しています。

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筑波大学とジョモ・ケニヤッタ農工大(JKUAT)の架け橋を担うOndibaさん

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「ペーパーブリッジワークショップ」にて

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このワークショップの受入先JKUAT農学・バイオ工学学科長Dr. Kituu(中央)とともに

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ケニアでのワークショップに参加した筑波大の学生とともに