「痛く辛く、悔しい日々」を糧に、残された任期、活動に邁進していきます!

氏名:柿内あかば
隊次:23年度1次隊
職種:水質検査
任地:エンブ
配属先:エンブ上下水道信託公社(Embu Water and Sanitation Co. Ltd)
出身県:東京都

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フィールドでのサンプリング

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新ムカング浄水場

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新ムカング浄水場 トレーニングの様子1

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新ムカング浄水場 トレーニングの様子2

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新ムカング浄水場と骨折した私

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大好きな「リタ姉ちゃん」

「ハバリ?」「ジャンボ!」(スワヒリ語での挨拶「こんにちは」)みなさん こんにちは。
私はケニアの首都ナイロビから北東約120km、標高1400m、ケニア山の山麓に位置するエンブという小さな町に住み、エンブ上下水道公社(以下EWASCO)が維持管理を行う浄水場で2011年8月から「水質検査」隊員として活動を行っている柿内あかばです。
EWASCOの給水区域はエンブ市の他周辺地域を含む933km2にわたっていますが、同区域人口13.9万人に対し給水人口は3.7万人(26%)に留まっており、その原因として、既存取水施設及び浄水場の能力不足、配水管網の未整備及び配水管網の老朽化などが挙げられています。給水を受けられない住民は不衛生な小川や雨天後の水溜りなどの水を生活用水に使用、そのため水因性疾患流行の一因ともなっています。エンブ市及びその周辺地域の人口は拡大傾向にあり、この周辺地域における安全な水の確保は緊急の課題となっていたため、JICAの無償資金協力「エンブ市及び周辺地域給水システム改善計画」プロジェクトが進められ、現在最終段階に入っています。

私の主な活動内容は、このJICAの無償資金協力によって現在増建設中(2012年12月完成予定)である浄水場において、設置される水質試験室での水質管理業務を毎日行うことができるようにするための、いわば「試験室立ち上げ」をカウンターパート(C/P)と一緒に行うことです。

が、ここは「ポレポレの国・ケニア」。私の活動の中心となる水質試験室もなかなか完成しないまま月日だけが流れ、私は活動への焦りを感じていました。そして、その焦りがいつしかケニア人への不満へと変わったり、C/Pや他のスタッフとの意見の対立も起きました。一日も早く活動を開始したいのにそれができないもどかしさ、悔しさを私は毎日感じていました。

しかし、幸いにして任地赴任後半年以上経って待ちにまった水質試験室が「とりあえず」完成。それからは今までの遅れを取り返すべく活動も軌道に乗り始めました。試験室の立ち上げ、浄水場やフィールドに出ての水質検査、原水に注入する薬品の量を決めるための試験など、活動に追われる時間の中で、ケニア人と一緒に活動する難しさ、楽しさを味わうことに充実感を得、それはまさしく「協力隊として夢に描いていた日々」でした。

しかしある日、活動先の浄水場で足を滑らせて左足を4ヶ所骨折。人生で初の骨折&入院を、なんとここケニアで経験することとなってしまったのです。楽しく充実した日々が一旦休止し、「痛く辛くそして悔しい思いの日々」になりました。残りの任期の中で「やらねばならない活動」「やりたい活動」のことを考えると焦りを感じ、活動ができない「悔しさ」を実感する毎日でした。骨折は「痛くて辛い日々」を私にもたらしました。そして何よりも活動を休止しなくてはならない状況が悔しくて悔しくてたまりませんでした。

そんなある日、ある人から「転んでもタダでは起きない」という言葉を教えてもらったんです。そう、私は転んで骨折して失ったものが「今」はあります。でもそれ以上に、学んだこと、学んでいることがいっぱいあります。得たものがいっぱいありました。

  • ちょっとのことでも助けてもらったら「ありがとう」を伝えることの大切さ
  • 「ありがとう」って言葉のステキさ
  • 「感謝」の気持ちをいつも忘れないこと
  • 強がるばかりでなく、時には人に頼り、甘えることの大切さ

そして何よりも、、、

  • ここケニアで多くのケニア人に助けてもらい、みんなと今まで以上に仲良くなれたこと

などなど。

特に、配属先スタッフの「リタ」との繋がりがとても強くなりました。彼女と私は同じ歳、そして彼女の息子・ジュニアと私は同じ誕生日という不思議な繋がりで、以前からも仲良くしていました。
骨折してから初めてエンブに帰ってきた日のこと。リタは私が到着するのを配属先のオフィスの門のところでジッっと立って待っていてくれました。そして私の乗った車が到着すると、待ちきれんばかりに車のドアのところにかけよってきて、ドアを開け、まず第一声「アカバ、おかえり」と言ってくれ、私たちは抱き合いました。フッとリタの顔を見ると目には涙が。リタは泣いているのを分からないようにオフィスに戻ったけど、「涙は止まらなかったのよ」っと、あとでコッソリ教えてくれました。そんなリタの姿を見て「私の帰りを待っていてくれる人がここエンブにいた」と思うと私は嬉しくてたまりませんでした。そして「エンブに帰ってきてよかった」と心の底から思いました。決して忘れるとことのできないリタとの大事な思い出です。

この骨折を通して、私はリタと今まで以上に仲良く、そして「ケニアの姉妹」になれたと感じています。自由が利かない身体の私をリタは何かと気にかけてくれ、私もそんなリタに甘えることができました。そんな「リタ姉ちゃん」が私は好きでたまりません。

これらの経験は骨折をしなかったら分からなかった、知り得なかったことばかりなので、今では「骨折に感謝!」しています。そしてこの骨折と共に過ごした日々が「かけがえのない大切な思い出」になりました。
骨折で休止していた活動もそろそろ再開のめどが立ってきて、増建設中だった浄水場もほぼ完成、ケニア人スタッフ向けトレーニングが始まっています。

「Water Is Life」、そう、水は人間にとって必須のもの。その大切なもののために活動できることを私は嬉しく思っています。残された任期、エンブの小さな町で出会ったかけがえのない仲間と一緒に「骨折に感謝」しつつ、骨折から学んだことを活かし、自分にできることを一つでも多くみつけ、活動に邁進していきます。