異文化理解

氏名:宮田健一
隊次:平成27年度(2015年度)4次隊
職種:PC Instructor
任地:Webuye in KENYA
配属先:Webuye vocational training center
出身県:宮崎県

私の赴任地ウェブエ職業訓練センターは、首都ナイロビからバスで約10時間、北西へ400キロメートルほどバスで揺られた先にあります。ここではコンピュータの操作や知識を学べます。ほかにも美容や裁縫、最近になって料理クラスも開設されました。生徒は約3か月から1年を通して資格や技術を習得していきます。主に10代から20代の生徒が多く、日々をゆったり楽しく過ごしています。美容クラスの生徒にはよく飴をくれと言われ、困ったものです。さて、配属先から私へ要請された内容は2つあります。“コンピュータクラスの授業サポート”と“インストラクターへの技術支援と知識のサポート”です。活動開始から1年半を経過した今だからこそ書けることがあります。赴任当初の私は、Word、Excel、PowerPointそれにTouch typingを一通りマスターさせるのだと意気込んで活動をしていました。つたない自身の英語を補うには、ときに身振り手振りが有効でした。生徒の画面左には用意したテキストを表示させ、右にはワードを起動し、文章を打ち、フォントを変え、文字サイズを変え、色を変えと履歴書などの文章を作成してもらいます。初めのうちはその授業スタイルに生徒が戸惑っていたものの、2週間もすれば次第に慣れていきます。あるときこんなことがありました。生徒が、前日の学習内容を自発的に復習していたのです。それはとても嬉しい記憶になりました。さて、私の授業計画では3か月間でコンピュータのHardwareとSoftware、Touch Typingの習得を予定しています。授業開始前に必要なファイルをPCへコピーし、動作チェックを行います。停電もありますから事前準備が必要です。しかし、そうして用意した環境であっても、さまざまな理由で教室を替え、生徒を替え、PCを替えることがあります。赴任当初の私は日本の価値観しか知らず、落ち着きなくそれらを行うことへの苛立ちを募らせました。ところが、ケニアではこうしたことは普通であり、生徒自身も対応に慣れていることを知るのは、私がオフィスの人と喧嘩になるずっとあとのことです。その日も、例のごとく教室や生徒に突然変更があるなかで、とうとう私の怒りは爆発し、同僚との言い争い大喧嘩になりました。多くのケニア人が争いを好まない性格であることを知ったのはこのときです。その後、いったん全ての授業を取りやめ、オフィスの様子を観察してみようと思いました。しばらく同僚の授業を見聞きし手伝いを通して、これまでには見えなかったことに気づかされました。例えば、ケニアではテキストは手書きで写すこと、授業は語りが中心であること、試験は暗記を重視することなど、それらは日本と大きな違いでした。それらが発端となってケニアの文化を知るに至り、要請の原点に立ち返ろうと思いました。想像してみれば、自分が逆の立場であったらなら同じく憤慨していたことでしょう。幸いなことに、生まれも育ちも文化も習慣も言葉も異にしていながら、そこには同じ“人”が住んでおりました。ある日の昼下がり、授業とは関係なく夕食の下ごしらえを手伝います。相手の意思を知り、文化を踏まえた上で尊重すれば、それ以降は不思議と腹が立たなくなりました。それが異文化理解なのだと思います。それからは、同僚との共同授業やオフィスの雑務、電化製品などの修理を行いながらようやく自分の居場所を見つけた気がします。最後は、配属先への感謝を言葉に報告を締めくくりたいと思います。Asante sana…

追伸:コンピュータの職を得たデイビット、君は僕の誇りです。

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授業のようす

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生徒との集合写真

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依頼されたPC修理のようす

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美容クラスの生徒たち

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チャンスを掴んだデイビット(左)

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近所のひまわり畑