ある日、ワムム更生学校での出来事

氏名:安藤洋之
隊次:平成28年度(2016年度)1次隊
職種:青少年活動
任地:マクタノ
配属先:ワムム更生学校
出身県:兵庫県

私の配属先はナイロビからマタツ(乗り合いバス)で北東に2時間のところにあるワムム更生学校です。罪を犯してしまった10歳〜17歳の子供が生活をする全寮制の男子更生施設です。ワムム更生学校では、社会復帰及び再犯防止を目的としたカウンセリングや初等教育、職業訓練、レクリエーション等を実施しています。時期によって増減はありますが80名〜100名程度の子供たちが最大3年間をこの学校で過ごすことになります。
私の活動は主に体育授業を担当することや放課後にスポーツの指導をすることです。多くの生徒は靴を履かずに素足で運動場を走り回り、ボールを蹴っています。爪を剥がしてしまう生徒や、足の裏をケガする生徒が後を絶ちません。そんな中、日本から靴の寄付があり、60足の運動靴を頂くことができました。当時の生徒数が90名だったので一人に一足靴を配布することができません。カウンターパートの先生と話し合いながら、みんなの共有物として扱うことに決まりました。希望する生徒に靴を貸し出し、使用後に返却、週末に靴を洗うという流れで靴を使うことに決めました。「みんなで決めたルールを守るということも更生の手助けになる」という話し合いができたことを非常に嬉しく感じたことを覚えています。スポーツの時間の後に「日曜日に教会に行く時に履く靴がないので、この靴を週末貸してほしい」と言ってくる生徒も出てきました。ケニア人の先生と話し合って、簡単な名簿を作り、靴の貸し出しを決めました。月曜日の朝、靴をきれいに洗い、丁寧に靴ひもを結んだ靴を返却する生徒の姿がありました。ケニア人の先生も生徒も非常に嬉しそうな表情をしていました。寄付してもらった靴を感謝の気持ちを持って扱ってくれているワムム更生学校の生徒たちと、生徒の成長に寄り添う先生の姿が見れて、清々しい気持ちになりました。
日々の生活や活動をする中でケニアの文化・風習に触れてきましたが、日本のそれとの違いに新鮮さを感じ、ケニアに住んでいることに喜びを感じることもあれば、時には苛立ちやもどかしさを感じ、日本を恋しく思うこともありました。ケニアが好きだったり、ケニアが嫌いだったり。そんな感情を繰り返しながら1年3ヶ月が過ぎました。ケニア人の言動に心をかき乱される時もありましたが、温かい気持ちにしてくれたのもまたケニア人でした。現職特別参加制度を利用しJICAボランティアに参加している私には、残りの任期が5か月となりました。独り善がりの活動にならないように、これからもケニア人の先生方と話し合いを重ね、自分にできる活動を頑張ろうと思います。

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普段は裸足で遊んでいましたが、この日はスニーカーを履き元気に運動場を走り回っていました。

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日本から靴の寄付を頂いて、大興奮の生徒達。

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使用後の運動靴の泥を払い、元の場所に戻している様子。