村落女性がキラリ輝く!環境ソーシャルデザイン

特定非営利活動法人ヒマラヤ保全協会 理事
戸田 裕子 さん

【画像】 2月23日(日)JICA駒ヶ根で「駒ヶ根市制60周年・駒ヶ根青年海外協力隊訓練所設立35周年記念セミナー」を開催します。このセミナーで講座セッションにおいて講座B「村落女性がキラリ輝く!:環境ソーシャルデザイン」の講師でネパールの青年海外協力隊のOGである戸田裕子さんにお話を伺いました。

駒ヶ根訓練所候補者時代、青年海外協力隊時代の思い出

【画像】 長い間、私は自分が好きになれず、仕事には満足していてやりがいもありましたが、「心」が満たされることがありませんでした。そんなある日、1人のネパール人女性との出会いをきっかけに、現地を訪れ、彼女の大変な暮らしぶりを知り、心を揺さぶられました。「今やらずにしていつやる。自分がやらずにして誰がやる」という、学生時代に修学旅行で訪れた京都の寺にあった掛け軸の言葉が私を後押しし、思いきって協力隊に応募しました。

 貧血の為、健康診断で2回落ち、最後の挑戦でようやく合格。協力隊訓練所では、日本全国から来た多くの同志と出会え、本当に嬉しかった事を覚えています。現地での活動も、始めは「外部の人」でしたが、ある事をきっかけに、一気に「仲間」となり、赴任先団体を国際会議の最優秀賞受賞までへと導く事が出来ました。
自分の日々の活動が、一緒に働くネパール女性達の生活や、表情を変えていることを知った時、初めて、心からの喜びを味わっている自分に気付きました。

ヒマラヤ保全協会の活動および今後の活動展開

【画像】 ヒマラヤ保全協会という国際環境NGOのJICAの草の根技術協力プログラムに専門家として参加させて頂いています。植林活動を通して収穫した森林資源から繊維を取り出し、地元の村落住民の地場産業を創造していく取り組みです。大自然を相手に、道具もろくに無く、電気もない状態からのスタートでしたが、皆様に支えられ、地元の女性達とともに日々想像を超えるハプニングを乗り越えてきました。そして、昨年、標高2200メートルの現在の活動地と、以前に指導していた女性団体とを結びつけ、協力体制を構築する取り組みを始めました。
 環境保全活動を通して、今後も、現地に分散している女性団体同志を編みつなげ、一つの大きな社会活動につなげていく「ソーシャルデザイン」活動を推進し、近い将来にはこうした経験を、災害時の日本や、過疎の進んだ日本の地域起こし運動に活かし、母国日本にも、貢献できる活動につなげたいと考えております。

セミナー参加者に対するメッセージ

 片手をなくした女性との出会いから、一つの織物が生まれました。その織物の売上げが、沢山の女性達の生活を支えていく事になりました。1人1人の存在に必ず意味がある。私は本当にそう思える体験を協力隊に参加させて頂いた事で経験できました。今、私の命も、ようやく輝き始めました。皆さんにも是非、この体験をしていただけたらなと心から思います。