(公社)中越防災安全推進機構地域防災力センター
地域防災力センターチーフコーディネーター 河内毅さん
2月23日(日)JICA駒ヶ根で「駒ヶ根市制60周年・駒ヶ根青年海外協力隊訓練所設立35周年記念セミナー」を開催します。このセミナーの講座セッションにおいて講座C「防災を通じた地域づくり」の講師で、グアテマラの青年海外協力隊OBである河内毅さんにお話を伺いました。
現在、わたしは地域の防災力向上や復興支援の仕事をしていますが、当初から防災を専門としていた訳ではありません。青年海外協力隊時代はグアテマラで森林GISや炭焼きの指導をしていましたし、シニア隊員時代には農村開発の活動を行っていました。しかし、国際協力の現場で現地の人々と接している中で、ひょっとしたら日本人よりも途上国の農村の人たちの方が幸せなのではないか、よっぽど自分達よりも主体的に行動しているのではないのか、そんなことを思ったのがきっかけで中越地震の被災地支援の世界に飛び込んだわけです。
中越の復興の現場では、地域の方々とのワークショップや会話の中から皆さんのやりたいことを拾い上げ、その実現に向けてサポート・エンパワーメントしていくような活動が多く、まさに協力隊の活動と相通ずるものが多かったですし、現在の防災の活動でも様々な分野の方々と協働することが多く、訓練所時代や協力隊時代を通じて多くの人とコミュニケーションを図ったり、一緒に活動したことが多く生かされています。
私が所属している(公社)中越防災安全推進機構地域防災力センターでは、主に市民協働型の災害支援体制の構築、自主防災組織などの地域防災力の向上、防災教育プログラムの製作などの事業を行っています。これらの事業を通して、従来のような行政まかせ・ハード依存ではない、住民や地域が主体的に防災に取り組める社会の実現を目指しています。
これまでは防災は行政がやるものでしたが、長岡市では災害が起こった時に行政や様々なNPO・企業が連携して災害支援に当たる体制が出来てきています。このようなNPOや企業が連携して防災や地域づくりを更に促進し、真の市民協働のまちづくりを実現していきたいと考えています。
私自身、駒ヶ根訓練所とそれを支えている駒ヶ根の皆さん、そして協力隊に育てられたといっても過言ではありません。これからも多くの若者がここから世界に羽ばたき、そして様々な経験を積んで再び日本に帰って来ることを願っています。