JICAベトナム事務所を訪問中
昨年度のJICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテストにて、最優秀賞である理事長賞を受賞した青木至人(あおきゆきひと)君(現在長野県上田高等学校1年生)が、エッセイコンテストの副賞として、今年の夏にベトナムへ研修旅行に行ってきました。帰国後、青木君がベトナムで感じたこと、考えたこと、今のお気持ちを伝えてくれました。
研修中ベトナム国営テレビ(VTV)放送センターを訪れた青木君。
『国際協力にはさまざまな形があること:
全てに共通して言えるのは、支援は、上からの目線の押しつけでなく、一緒に一つの事柄に取り組み、共に解決に向けて協力していくことが大切であること。
相手国の生活様式や文化、価値観を尊重しながら行う必要があること:
まず、現地の人がなぜそうしてきたのか、相手の立場で考え、理解し、互いに納得するまで話し合うこと。
相互理解が最も大変で大切なことだとわかりました。そうした人間関係の構築こそが、どんな技術や援助にも勝るのだと現場で学ぶことができました。
ベトナムの人々の笑顔は優しく、屈託のない笑顔でした。他国による支配や戦争を経てなお、穏やかな笑みに包まれているのはなぜだろうと思いました。早朝、人々は、露店でフォー(ベトナムの麺料理)を食べ、談笑していました。日中、働く人々も和やかな表情で話す姿が多く、時間がゆったりしていました。
ホームステイ先の家族と出かけた夜のハノイ旧市街では、あちこちに家族連れがゆったりと座っていました。彼らはみな家族をとても大切に考えていて、生活の中心には家族がいました。そういうところに、ベトナムの人々の心の豊かさを支える原動力があるのだと思います。それは物質的な豊かさとは代え難いもので、日本が失ったものだと思います。つまり、先進国の人々の方が生き生きしているかというと、そうではない。
時間や効率、費用対効果のようなことばかり追い求めることをこの国に持ち込んではいけないと思いました。
研修中、全く言葉は通じなくても、笑顔を通して、今、心が通い会えたと互いに思える瞬間がたびたびありました。人は、家族を思うように他者を思うとき、国も言葉も週間も超えて、その真心は互いに通じるのだと実感しました。
また、国同士の政治的な課題はあっても、一人ひとりと話し、触れ合うと、言葉が通じなくても気持ちは通じ合えると思いました。
ベトナムの人はみんなやさしく、いい人たちでした。自分への課題として、これからももっと勉強しなくてはと思いました。』