日系社会シニアボランティアとしてパラグアイに派遣された志摩浩一さんにお話を聞きました。
平成25年度0次隊 派遣国:パラグアイ 職種:日系日本語学校教師
志摩 浩一さん (しま こういち)
今までは自分のやりたい仕事に就き、自分の生活を支えるために仕事をしてきました。定年退職を機に、自分の存在を人のために活かせないものかと考えJICAシニアボランティアに応募しました。「念ずれば花開く」と言う言葉がありますが3度目のチャレンジで、日系社会シニアボランティア参加という切符を手にすることができました。
授業風景
パラグアイの日系社会は、移民開始から80年の歴史を持っています。日系人が我が子たちに母国語である日本語を忘れさせないために設立した「日本語学校」が国内に8ヵ所あります。それぞれの日本語学校を巡回し日本語教育の充実を目指した支援をしてまいりました。日本語のみならず日本人としての良さも子孫に受け継がせたいという日系人の強い熱意を感じさせる学校ばかりでした。ボランティアとしてやりがいのある活動でした。
日本語を教えている志摩さん
パラグアイの日系社会に着任し、私がまずこだわったのは私と同じ長野県出身の方がおられたらお会いしてみたいと思ったことです。幸いにもパラグアイにお住まいの80歳を越える女性の方にお会いすることができました。お話をうかがう中で長野県の学校では今も「信濃の国」という歌を歌っているのでしょうかとの質問がありました。高等学校時代までを長野県で生活されていたというその方は長野県出身であることその証として今も「信濃の国」の歌を大切にしているとの事でした。移住80周年を迎えている日系人の方々が何としても「日本語」を継承していきたいという強い思いがあるように、長野県出身の方が歌唱「信濃の国」に強い思いを持っておられることを改めて感じさせられました。
ここは、365名の学生が在籍する専門学校です。日本人を含めて世界の25ヶ国からやって来た留学生たちが、語学力とビジネスの専門知識を身につけるために学んでいます。私は学校長として、特に留学生たちには日本語力の定着と共に「信州人と上田の地を好きになって欲しい。」という強い願いを持って学校運営にあたっています。
とかく私たちは、日本人としての尺度や価値観から日本で生活する外国人を捉えがちです。しかも外国人の姿や生活行動からどうしても負の部分に目を向けがちです。国による文化や生活習慣の違いには必ずそれなりの「訳(理由や根拠)」があることが海外生活を通して理解できました。この視点を本校に在籍する留学生への理解や生活指導にも活かしています。
— ありがとうございました。パラグアイでは、日系人の子どもたちのために活動し、現在は日本で頑張っている留学生を支えるお仕事をされている志摩さん。これからの更なるご活躍を楽しみにしています。