映像の力で街を元気に

【画像】河西 佳代 さん

一般社団法人 松本映画祭プロジェクト事務局/元青年海外協力隊員
河西 佳代 さん

7月27日から3日間、松本市で開催される「第23回国連軍縮会議」の記念事業として、世界の子どもたちの様子などを歌と映像でつづる「地球のステージ MATSUMOTO」(松本映画祭プロジェクト主催)が7月24日、長野県松本文化会館で行われます。このイベントの仕掛け人が、元青年海外協力隊員の河西佳代さん(安曇野市出身)。成功に向け忙しい毎日を送る河西さんにお話をうかがいました。

念願のイベント実現

「国際協力って、もっと身近で、ハードルが低いということを伝えたい」。河西さんが地球のステージ開催に込めている思いです。地球のステージは精神科医で世界中の紛争地域などで医療ボランティアに従事している桑山紀彦さんが繰り広げるコンサートで、厳しい環境の中でも笑顔や思いやりを失わない人々の姿を通じ、人間の強さ、平和や命の尊さ、そして国際協力の意義などを見るものに訴えます。

河西さんがこのステージを国連軍縮会議に合わせて開こうと考えたのは、今年2月、JICAボランティアの派遣前訓練の一環として行われた地球のステージを見ていたときのことでした。「国連軍縮会議ってイメージ硬いじゃないですか。でも、桑山さんのステージを通じて世界を見てもらえば、共感の輪が広がると思ったんです」と河西さん。早速、桑山さんに打診し、念願のイベント実現にこぎつけました。

生活を通じた交流

2008年から松本市に住んでいる河西さんは、「映画の力で街を活気付けよう」と、仲間と一緒に中心商店街を舞台にした映画祭を実施しました。「かつては松本の中心部にも5、6件は映画館があった。それが郊外型の映画館に押され、今ではゼロ。中心街から映画文化を発信したかった」と話します。その後も、子ども対象の映画イベントを実施するなど、活動の幅を広げてきました。

映像を通じた街づくりに尽力している河西さんですが、「もともと映像に詳しかったり、街づくりに興味があったわけではないんです」といいます。長年、アパレル業界に身を置いていた河西さんは、「生活を通じて海外の人々とじっくり交流したい」との思いが高じ、会社を辞め、青年海外協力隊、婦人子供服隊員として北アフリカのモロッコに赴任しました。

「見てみぬ振りはしない」

首都から約200km離れた人口約2万の街の職業訓練校で、洋裁を教えた2年間、慣れない土地で単身奮闘する外国人に対するモロッコ人のやさしさ、思いやりを強く感じていました。その経験から得た「見て見ぬ振りはしない」という思いが、地域に密着した現在の活動につながっているといいます。

河西さんらが立ち上げた団体は今年1月、「一般社団法人松本映画祭プロジェクト」となり、組織も充実してきました。「単発のイベントの繰り返しではなく、長期、中期の計画を立て、効果的にイベントを実施したい」と河西さん。「松本には魅力的な資源がたくさんある。日本中から人が集まるような企画を手掛けたい」と意気込んでいます。

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【画像】

モロッコで活動中の河西さん(右から3人目)