みなこいワールドフェスタ・スタンプラリー部会長/元青年海外協力隊員
北原 照美 さん
「青年海外協力隊訓練所があるまちづくり」を進める駒ヶ根市では、毎年秋、国際交流イベント「みなこいワールドフェスタ」(通称:みなこい)が開催されます。18回目となる今年も市民有志らが実行委員会を結成。10月15日(土)〜23日(日)のイベント本番に向けた準備も大詰めを迎えています。この実行委員会で「スタンプラリー部会長」を務める北原照美さん(駒ヶ根市出身)は、過去にたずさわった「みなこい」がきっかけで、国際協力の世界に足を踏み入れました。海外勤務を経て久しぶりに駒ヶ根に戻った今、途上国での経験を生まれ故郷の地域イベントに活かそうと張り切っています。
「みなこい」は上伊那地域の宮田村、中川村、駒ヶ根市、飯島町の頭文字をとったもので、元協力隊員を講師にした料理教室(16日)、協力隊活動報告会(18日)、地球のステージ(22日)など、盛りだくさんのイベントが開催されます。クライマックスは駒ヶ根市の中心街で23日に行われる国際ひろば。協力隊が活動する国の言語を学べるブースや、異国の料理を味わえる屋台が設けられ、街は国際色に染まります。
この国際ひろばを舞台に実施する、スタンプラリーを企画しているのが北原さんです。今年は「私の今日の生活は世界とつながっている」というテーマを設け、参加した子どもたちが日常生活における日本と世界とのつながりを、楽しみながら感じることができるよう、様々な仕掛けを練っています。
北原さんが初めて「みなこい」の実行委員会に入ったのは1998年、「途上国を旅行して歩いているうちに、国内で何かできることはないかと考えるようになった」との思いからでした。当時、実行委員会では、「子ども向けにスタンプラリーをやろう」との意見が持ち上がっていました。その担当として白羽の矢が立ったのが幼稚園教諭だった北原さん。「実は私、初代スタンプラリー部会長でもあるんです」。以来3年、スタンプラリーを企画、運営しました。
イベントに関わる中で、北原さんは協力隊訓練所のスタッフとの交流を深め、次第に協力隊に関心を持つようになりました。元々、幼稚園教諭のキャリアをいかした国際協力活動に興味のあった北原さんは協力隊参加を決意。試験に合格し、幼児教育隊員としてインド洋に浮かぶ島国、モルディブへ赴任しました。
モルディブでは首都から飛行機で1時間のところにある人口約2000人、直径約1.5キロメートルの島の幼稚園で、模擬授業を交えつつ、教員の養成を手がけました。隊員活動終了後、駒ヶ根の協力隊訓練所のスタッフや西アフリカ・ガーナでのJICAボランティア調整員を務めるなど、国際協力活動に打ち込んできました。
そして今年、故郷に戻り幼稚園勤務を再開した北原さんは、「みなこい」のスタンプラリー部会長にも復帰しました。「協力隊に行く前は、世界は生活の外にあるものだった。それが海外での活動を経て、食糧やエネルギーなど、日本の暮らしの中でも途上国を意識するようになった。普段はなかなか気づかない、そのつながりを実感できるイベントにしたい」。楽しく、にぎやかで、いつの間にか学べるイベントを作り上げようと意気込んでいます。
協力隊員としてモルディブの幼稚園で活動する北原さん
ボランティア調整員として赴任したガーナで日常食のフフを作る北原さん
ガーナでろうけつ染めに挑戦する北原さん