飯田長姫高校教諭
田邉 紗也子 さん
飯田長姫高校教諭の田邉紗也子さん(松本市出身)は、JICA駒ヶ根のイベントや教員の研修などで、参加型の手法を用いた国際理解教育ワークショップの講師として活躍しています。英語が専門の田邉さんが国際理解教育に関心を抱いたきっかけなどをうかがいました。
11月にJICA駒ヶ根で行われた長野県の高校教諭10年次研修。「国際理解教育について理解を深める」との趣旨で行われたこの研修には、県内から4人の方が参加し、JICAボランティアの派遣前訓練を見学や、協力隊の体験談などを通じ、JICAの取り組みを教育現場に活用する方法に思いを巡らせていました。
この研修を締めくくるワークショップを実施したのが、教員歴6年目の田邉さん。ワークショップの前は「先輩の前で講師を務めるのは緊張します」と話していましたが、いざ始まると、携帯電話をテーマに身近な暮らしと世界とのつながりを考えるワークを参加型で実施し、参加した先生方から「参考になった」と高い評価を得ていました。
もともと国際協力に関心のあった田邉さんは、2008年、JICA中部(名古屋市)が実施する「開発教育指導者研修」のチラシをたまたま目にし、参加しました。年に4回、週末を使って行われるこの研修には、長野県のほか、愛知、三重、岐阜、静岡の各県から学校の教員ら開発教育に関心のある方が集まり、参加型の授業のノウハウを学びます。
「すごくよくできたプログラムだった」。田邉さんは驚きます。そしてその中で、一番印象に残ったのが、携帯電話を通じたワークショップでした。田邉さんはこれを自分なりにアレンジし、長野県に持ち帰って実施しています。12月にJICA駒ヶ根で開催する「信州グローバルセミナー2011」でも、約20人の参加者を対象に実施します。
参加型ワークショップのメリットについて、田邉さんは「体験として学ぶことで印象に残るし、人間関係を育む意味でもいいと思う」と話します。そして「世界中の人に共感の輪が広がるための第一歩が、隣にいる人と仲良くなることだと思う。その手助けになるような授業をしていきたい」と話しています。
高校教諭10年次研修でワークショップを実施しました