JICA九州では、「北九州市」という地元のリソースを生かして、環境管理分野での研修を年に約20コース実施しています。今回のエコ通信では、そのうちの一つである「廃棄物管理技術(A)コース」の見学・実習風景を、前編と後編に分けてご紹介します。
廃棄物管理技術(A)コースは、2011年8月22日から2011年10月21日までの約二か月のコースで、JICA九州の中では比較的長いコースです。研修員は、ジャマイカ・モンゴル・パナマから1名ずつ、計3名がコースリーダーの川崎さん(KITA)・研修監理員荒竹さん(JICE)とともに、毎日研修に励みました。
この研修は、日本での廃棄物管理の歴史、実際の処理方法、最終処理場で用いられる技術、環境教育や意識向上の方法について取り上げ、廃棄物管理の様々な側面を総合的に学ぶカリキュラムとなっています。
このため、北九州市や九州内の行政団体・企業・市民団体と、実にさまざまな方々の協力を頂いて実施しています。
それでは、研修の様子を覗いてみましょう!
この日は、その高倉式コンポストを開発された高倉さんと助手役を務める八百屋さんのお二人にコンポストについて教わりました。
まずは、発酵の仕組みやそのための仕掛けについて学びます。乳酸菌やイースト菌に加え、放線菌なんて初めて聞く菌もでてきますが(しかも英語で!)、研修員のみなさんはそれぞれの国で廃棄物管理を担当するプロ、ちゃんと理解しています。
そして、発酵床を作るための菌をどうやって得るかについて教わった後、身近にある野菜等から菌を取る実習です。
お料理教室、のようですが、これは野菜や果物の皮についている菌を採っているところです。
こうしてとった菌を寝かせて、発酵液にします。
砂遊びではありません。もみ殻とぬかで、「発酵床」を作っているところです。
このようにして、発酵床ができたら、カゴなどに分けて、コンポストとして使います。いわゆる「買い物カゴ」が手に入りやすくておすすめだそうです。
出来上がったコンポストに、家庭ででる生ごみを入れるときは、できるだけ細かく切って入れると分解が早いそうです。
実は料理が趣味だというパナマからの研修員のロレンゾさん(パナマ)は包丁さばきも慣れていますね。
最後に、出来上がった堆肥の使い方や、堆肥の質の検査方法について教わりました。種が発芽する様子から、堆肥がうまくできているかどうかを調べられるんですね。
特別な材料や機械を使わなくても、身近にある道具や材料で作れる「高倉式コンポスト」、研修員のみなさんは「ぜひやってみたい!」と意欲満々です。
微生物の働き、という難しいお話を分かりやすく説明して下さる高倉さんと、細やかな配慮で実習を助けて下さる八百屋さんの絶妙なコンビネーションにも脱帽です。
高倉式コンポストに興味を持たれた方は、ぜひ、JICA九州のHPにある、「高倉式コンポスト Q&A集」をご覧下さい。また、環境レンジャー通信のコーナーにも、赤レンジャーさんがコスタリカで実施しているコンポストの様子をレポートしてくれています。こちらもぜひぜひご覧下さい。
次回、後編では「環境教育」活動の見学の様子をお伝えします。
以上