九州エコ通信2014年8月号

バリ島の東、ロンボク、スンバワ島で草の根のごみ処理支援実施中!

北九州市環境局 アジア低炭素化センター 特区プロジェクト担当係長
近藤 保光(廃棄物管理)

はじめに

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皆さんは、バリ島はよくご存知のことと思います。インドネシアは、その東にロンボク島、スンバワ島と延々と広がっており、ニューギニア島イリアンジャヤまで続いています。北九州市は(公財)北九州市環境整備協会とともに、ロンボク、スンバワ島からなる西ヌサ・トゥンガラ州で、2013年5月から草の根技術協力事業(地域提案型)「インドネシア共和国西ヌサトゥンガラ州における廃棄物管理業務の効率化事業」を行っています。経済発展著しいインドネシアは、その勢いが地方にも広がっており、同時に、都市問題も深刻化しています。この西ヌサ・トゥンガラ州も例外ではありません。私たちは、西ヌサ・トゥンガラ州の廃棄物事業を管轄する環境管理局をカウンターパートとして事業を展開しています。

ごみ問題

西ヌサ・トゥンガラ州は、人口40万のマタラム市と15万のビマ市に、西ロンボク、東ロンボクなどの8県を合わせた10行政区で成り立っています。ごみ問題は、特に都市部でひどく、処理が追いついてないのが現状です。発生ごみの8割は回収しているが後の2割は、川などに不適正に捨てられています。収集されても一時集積場などの管理が行き届かず、ごみがあふれ出し、悪臭をはなっています。私たちの泊まるホテルのそばでは、裏通り一面がごみの山です。
事業では、現地調査の後、ごみ組成分析、リサイクル分析指導を行い、モデル地区を設定して、住民のごみ減量のためのコンポストづくり、資源化物回収支援及び環境意識の向上が主たる目的です。
西ヌサ・トゥンガラ州には、スンギギビーチ、ギリアイランドに、英国のダイアナ妃が訪れたというモヨ島など多くの観光地があり、ごみのないきれいな景観を維持することも大事なことです。

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スンギギビーチ

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裏通りに広がるごみの山

2013年度事業

ごみ問題は意識変革からということで、6月2日にマタラム市の目抜き通りで「ごみゼロキャンペーン」を実施しました。国連のアースデイに併せて、同時開催し写真のように多くの市民が参加しました。事前にTシャツも作って配布、植樹、コンポスト実演の後、みんなでごみ拾いしました。西ヌサ・トゥンガラ州にはみんなでごみ拾いをする発想はなかったとのことで、今後は、観光地のスンギギビーチなどでこのようなことを企画していきたいと、早速、反応がありました。
もう一つは、ごみ減量意識の向上とコンポスト実践、有価物の分別を目標に200戸余りのバンジャル地区をモデル地区に設定して、まず、生ごみコンポスト実習を行いました。一方、学生たちが家庭で実践することを願って、西ロンボクの高校でコンポスト講習を行いました。
これらの実習後、実際にコンポスト製作が継続されているかなどのフォローを2回目以降に行いました。バンジャル地区では、実習後、取り組み家庭は、拡大しており、高校生は、コンポストづくりを家庭で取り組みながら、出来たコンポストを使って学校で生姜、ウコン作りに取り組んでいました。

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アースデイイベントの人出

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ごみ拾いキャンペーン

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コンポストセミナー(マタラム市バンジャル地区)

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コンポストづくり講義(ゲルン第一高校)

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コンポスト実習風景

2014年度事業

カウンターパートは、各県ごとに環境モデル地区をつくり、ごみの減量・環境意識の向上を図ろうと奮闘しており、東ロンボク県セロン市スカムリア地区では、町内各戸にごみ箱を置き、オーガニックとノンオーガニックの2つに分別しています。また、ごみ銀行システムも動いており、小さな倉庫には分別された資源化物が保管されています。今後、このような取り組みが、われわれの事業と合わせて西ヌサ・トゥンガラ州内に広がっていくことを期待しています。コンポストづくりとごみ銀行については、現地NGOが作成するごみ銀行他実践マニュアル作りも引き続き支援しています。
一方、一部貧困地区などでは、行政のごみ収集システムが機能してないところがあり、空き地、河川などにごみが投棄されています。このような場所でコンポストセミナーを開き住民対話を行い、カウンターパートに解決への提言を行う予定です。最終処分場については、廃水管理に課題があり、今後も改善提案の行方をフォローしていきます。
インドネシアは、若く、あらゆる面で可能性を秘めた国であり、新しい大統領の下、今後、大きく変革していくものと思われます。私たちの支援事業がその一端になればと期待しています。

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ごみ銀行他実践マニュアル(作成中)