2014年度インターンシップ生
北九州市立大学
中村 亮太さん
今回、私たちはインターンシップの一環として、「産業環境対策」研修で実施した環境ミュージアム視察に同行いたしました。研修員は中国、カンボジア、イラク、ミャンマー、パキスタン、スリランカから来ており、それぞれ自国の環境問題の解決策を検討するという目的意識を持ちプログラムに参加されていました。
環境ミュージアムではまず初めに講義を受け、北九州の公害とその克服の歴史について学びました。市民運動から始まった北九州の公害対策は、市民と企業と国の協力を得ながら順調に進展していき、北九州市は今や世界を代表するエコタウンへと成長を遂げています。この講義を聞いたスリランカの研修員の方は空気汚染や水質汚濁を解決に導いた北九州の歴史に驚愕すると共に、「自国の工業汚染の解決の糸口になるのではないか」と大変深い関心を示されていました。またミャンマーの研修員の方は「環境問題を解決するには市民の方々と企業との連携が非常に重要で学んだ技術や歴史を自国で伝える意義は大きい」と言っていました。
北九州の公害への取り組みは北九州市民が協調性を持って行い成功に導くことができましたが、私は文化圏が違う他の国でも同じように国民が一体感を持って環境対策に取り組みを行えるかどうかが課題であるだろうと感じました。
北九州の公害克服の歴史について講義の様子
次に私たちはリサイクル工作体験コーナーにいきました。そこではちらしを使った蝶作り、しおり作り、封筒作り等があり、研修員はミュージアムのボランティアの方々に助けてもらいながら熱心に工作を行っていました。ここのボランティアの方々はこれまで公害対策運動に取り組まれて来られた方々が中心となっており、地元との連携の中で運営されていました。
リサイクル工作を体験
そして次に私たちは北九州の環境の歴史について展示物を交えた説明を聞きました。写真や年表に加え、当時の原料などに実際に触れる機会があり、北九州が過去に抱えていた問題と同じ問題を抱えている国にいる研修員は写真を見て、「まさに自国がこの問題を抱えている」と強調されていました。
北九州市の環境の歴史を学ぶ
環境ミュージアム見学後、私たちはエコハウスと呼ばれるクリーンエネルギーをエネルギー源として作られた家の展示に行きました。エコハウスは廃木材や廃プラスチックを材料として作られており、火山灰が壁に用いられていて湿気調整の役割を果たし、松の壁が熱を調整する役割を果たしているなど、日本の自然の特徴を活かした家作りが行われていました。研修員の方はその家の金額の高さに驚いた様子でしたがこれから普及するにつれて安くなっていくことを知り、「是非自国でも普及させたい」と意気込んでいました。
この研修を通して研修員と共に私も改めて日本の技術の高さを知りました。将来的には日本の技術を学んだ研修員と協力しながら世界の開発途上地域の発展へと貢献できるように努めていきたいです。
エコハウスを視察