北九州市で学んだ青年海外協力隊、環境レンジャーの活躍を追う不定期ルポ。
コスタリカで活動をしている赤レンジャー野本隊員より、現地レポートをお送りします。
赤レンジャーです。
日本では、今なお、余震や原発問題が続いていますが、皆様のご家族やご友人の無事をお祈りしています。私は、コスタリカで、活動を全うすることが自分のできる最善なのだと考えて活動にはげみたいと考えています。
早速、自分のコンポスト普及活動の一歩を報告します。
作り直した発酵液 フタをはずして破裂しないように…
最初、コンポストに使う菌を培養した発酵液を自分の部屋で作ってみようと試みたら、ペットボトル内に溜まった炭酸ガスが破裂し、部屋中に発酵液が飛び散ってしました。
飛沫は、広範囲に飛び散り、天井、壁、カーテン、さらにはベットまで。。。景気づけに、レシピよりも大目にサービスした推定20グラムのイースト菌と、空気穴を開けることを失念していたことが、敗因のようです。
反省し、気を取り直して、下記のレシピで発酵液と菌床を作り直しました。
発酵液を菌床に投入し、次の日には、55℃まで温度が上昇しました。表面全体に、放線菌が発生しまして、温度は、3日後には45℃まで低下。それ以後、温度を保っています。ちなみに、日中の平均気温は35℃です。
配属先に隣接する市場の食堂から、野菜・果物の皮を入手。だいたい500グラムくらいを一日一回投入。現在二日目です。
こちらの人々は、バナナを愛用しているので大量のバナナの皮が出ます。コンポストにはさみで、細かくきって入れています。分解度合いは良好だと思います。あくまで、目視による確認ですが、次の日には、減っているように見えました。
コンポストをしている場所ですが、オートバイを駐車しているスペースの片隅を使わせてもらっています。後ろに見える大きなタイヤは、市で所有している大型トラックのタイヤです。
この食堂から、野菜・果物の皮を頂いています。
初めてのタカクラ式コンポスト 発酵菌!健やかに育て!
コンポスト作業中 バナナの皮をハサミで切っています
私の活動の一つであるごみの減量化による埋め立て場の延命化、市民の環境啓蒙にもタカクラ式コンポスト導入は、合致していると思います。コスタリカ人は、コメ食のため米ぬか・もみ殻の入手可能で、菌床の材料も豊富なのもラッキーでした。
マリアさんの似顔絵 赤レンジャー作
自分の直接の上司でもあるカウンターパートのマリアさんが、もともと家庭菜園をやっていて農業に知識・関心があってボカシ肥のことも知っていました!
コスタリカでは、30年近く前に、シニアの堆肥隊員の方がボカシ肥を普及させたらしいのです。
タカクラ式コンポストは、ほかの方法に比べて簡単で、天然資材で誰でもできることから気に入ったとのこと。自分の家でも試してみたいと言っています。彼と一緒にできたコンポストについて、土壌改良剤としての実証実験ができそうです。
今後は、近くの小学校で授業として継続的に生徒たちにやってもらうことを考えています。学校には、食堂があり生ごみの入手は可能。ただ、献立によっては野菜くずが、まったく出ない日もあるのでどうしようか考えています。
近くの小学校には、ビン、ペット、古紙類の集積所があります。国内の環境活動認定制度により星3つの評価を得ている優秀校。先生達の環境活動への意識は高いので、楽しみです。
できたコンポストの利用方法ですが、今のところはプランターなどに使ってもらうことを検討しています。
また、地区のコミュニティラジオがあり、広報にも無料で活用できそうなので、今後、コンポスト普及の協力を依頼しよう思っています。
電化製品の山
夜の分別作業 ライトがまぶしい
ボランティアがゴミを分別中
小学校に併設されている、リサイクル品の集積場の写真です。子供が一緒に移っていれば、良かったのですが。
毎月最初の木・金曜日に、古紙・ビン・カン・ペットボトルの回収を行います。
ただし、市民の持ってくるものが高い確率で、きちんとした分別が徹底されていないので、生徒のお母さん達や先生達が中心になり、ボランティアで再分別をしています。僕も手伝いましたが、かなり煩雑な作業で受け入れ終了時刻の夜8時まで電球一個でみんなで分別をしています。ただ、ラテン気質の明るさがあるおかげで気持ちは暗くはなりません。井戸端会議のように、にぎやかに作業しています。
私の住んでいる地区の資源ごみのリサイクルについては、よいシステムができていると思います。いわゆる官民学の連携ができています。リサイクル品の受け取り作業の手伝いをした時に感じました。どうゆうことかというと、再分別をみんなで協力してやってます。健康省の人と、市役所の職員、リサイクル事業者、学校の先生、ボランティアのおかあさん。それぞれ立場は違えど、気さくに冗談を言い合ったりしながら仲良く作業しています。
しかしながら、作業が長時間に及ぶため、負担が大きいと不満に感じるボランティアもいるので、きちんとした分別を市民に働きかける提案をしていきたいです。
毎月最後の月・火・水に、電化製品の受け入れをしています。電化製品は無償ですが、日本では有償だという話をしたら、かなり驚いていました。
今回はコスタリカの報告はここまで。引き続き経過報告いたします。
コスタリカより 赤レンジャー 野本