2011年5月11日
西アフリカ・ベナンより紫レンジャーの大森貫二です。
任地に配属されてから2ヶ月が経ちました。
今回は初報告として、任地ジュグー市の現状をお伝えします。
ジュグー市は人口23万人を抱えるベナン北部の中都市です。90%以上がイスラム教徒であるため、街の至る所にモスクがあります。バナナやパイナップル、マンゴー、パパイヤといったフルーツは日本でいくら出しても買えないようなおいしい物がな、な、なんと10円。バイク社会であるベナンは、無免許ノーヘルは当たり前で最大6人までオッケー。と、まあ信じられない光景が多々見られます。
さぁ問題の環境についてですが…
写真1 郊外のゴミ集積場
写真2 ゴミを回収する市のトラック
写真3 住民がゴミを燃やしている
写真4 不衛生な中に家畜たちが…
まずゴミ箱というものが存在しません。各家庭、小、中学校はもちろんの事、市役所の中にもありません。公共のゴミ箱らしきものも市内全体で5つ程度ありますが管理されていません。街全体がゴミ箱になっていて、外国からの援助によって整備された道路、側溝または空き地がゴミ溜まりになっています。
市内のNGOが一応、ゴミを回収していますが郊外に集められているだけです(写真1)。その後、市のトラックが回収しますが市から4〜キロ離れた自然の中へ埋め立てすることなく捨てるだけです(写真2)。トラックは2台ありますが、1台は現在バッテリーがなく、もう1台はガソリンが買えないということで1週間程動いていません。NGOが各家庭から集める荷車にも数に限りがあります。
定期的に回収されないため、至る所で住民がゴミを燃やしています(写真3)。ビニール、プラスティック、生ごみ、缶など当然のように分別はありません。
家畜の放し飼いは一応法律で禁止されているようですが取り締まりがないため、インフラ整備された道路を歩き回り、住民が捨てる生ゴミを食べています。
そして家畜の糞尿がそこら中に散らばっています(写真4)。
一般住民だけでなく、市役所職員までポイ捨てする状況です。
さらにコンポストに関して、発酵食品のヨーグルトは高級品であり、野菜や塩も高価なものであるため、各家庭での発酵液作りは難しそうです。
何から手をつけていいのか非常に悩んでいますが、公共場でのゴミ箱設置や各学校での啓発活動、モデル地区で各家庭への分別講習会などできることを計画し、活動していきたいと思います。任地ジュグー市における主要産業は農業であるため、まずコンポスト技術によって生産される堆肥の有効性を確かめていきたいです。
今回の報告はここまでとさせて頂きます。引き続き経過報告いたします。