2011年5月26日
学校でのトレーニング風景 授業中
フォークで作ったウォールデコレーション
こんにちは、ジャマイカより緑レンジャー丸林です。
私は今、ジャマイカの北西部Hanover州の海岸沿いにある、LUCEA(ルーシー)という小さな町で活動をしています。ジャマイカでも1位、2位を争う「ど田舎」。平和でのんびりした暮らしは、私にとても合っているようです。
配属先は4Hクラブ。農業省管轄の団体で農業、家政を主に青少年への技術指導を行います。具体的には料理や裁縫、家畜の飼育法や養蜂、農業機械の取り扱い等です。環境教育は比較的新しく、まだ定着していません。全部で4名という超小規模の事務所で環境教育を担当するのは私1人。ジャマイカ初の環境教育隊員として、まさにこれから環境教育を定着させていくのが私の任務なのです!
赴任後すぐ、配属先最大のイベントであるAchievement Dayが開催されました。全国14の州にある各クラブが、その年のトレーニングの成果を発表し競い合います。環境分野では“Trashto Cash”というリサイクル工作のイベントが開催され、私は学校でのトレーニングや大会当日は審査員を担当しました。子供たちはみな独創的ですばらしい作品を作ってくれましたよ!
この工作にはどんな材料が使えるのか。つまり、ジャマイカでは毎日どんなごみが出るのか?これは生活してみないとわからないことですよね。そこで、日々の観察をもとに、勝手にランキングを作ってみました。
プラスティックスプーンを使った造花
大会表彰式
隊員の試作品:新聞紙ビーズ
<道端によくポイ捨てされているゴミランキング>
圧倒的なプラスチックごみの多さ!上位4位をプラごみが占めています。
なぜか?ジャマイカでは食料品から工業製品の材料まで、ありとあらゆるものが輸入品で、先進国同様プラスティックゴミがあふれかえる状況なのです。
しかし、輸入品には17.5%の消費税がかかります。それなのになぜ輸入品を買うのか?その答えは自給率にあります。
例えばジャマイカの食料自給率は恐ろしく低く、穀物自給率は1%以下です(農林水産省HPより)。ジャマイカ人の平均月収は4万円程度ですが、それでも輸入品を買わざるを得ません。物価は先進国並みに高く、生活は非常に困難です。学校には毎日ごはんが食べられない子供が沢山います。
農地が50%を占める国でなぜ極端に自給率が低いのか?なぜ物価と収入のバランスがこんなにもとれていないのか?知れば知るほど、この国の抱える全ての問題は互いが複雑に絡み合い、一筋縄ではいきません。
環境問題を考える、それは生活環境も含めた問題だと私は考えています。地球規模の環境問題を説く前に、もっと身近な子供たちの生活環境を考える場がこの国には必要なのではないかと考え始めています。一方、私ひとりの力ではどうにもならない問題があちこちに立ちはだかり、情けなく無力感を感じる日もしばしば。
まだ手探りの状況ですが、臆することなく一歩一歩できることから着実に歩みを進めていきたいと思います。どうか温かく見守っていてください。
それでは、今回のレポートはここまで。引き続き、経過報告をいたします。