環境レンジャー不定期連載ルポ ジャマイカの緑レンジャーからの報告その2

2011年6月17日

こんにちは。ジャマイカより緑レンジャー、丸林です!日本は梅雨ですね。今年の梅雨は雨に恵まれているのでしょうか?ジャマイカでも雨季に入り、連日大雨が続いています。私の住む地域では、大雨が降れば必ず道が川のようになります。ごみで排水溝が詰まって水がスムーズに排除されないのです。家屋を浸水し、洪水になることもしばしば…。

やはり、ジャマイカの環境問題を考える上で、ごみ問題は外せません。

【写真】

いたるところにゴミ

【写真】

ゴミ処理場

【写真】

ジャマイカの収集車

【写真】

ビンも缶も野焼き

【写真】

収集場からあふれだしたゴミ

ジャマイカは美しい自然に囲まれながら、いたるところにポイ捨てされたゴミ、ゴミ、ゴミ。あちこちで野放しのやぎ、にわとりが道端のゴミを漁り、フンが路上にころころころころころころころころ…。せっかくの景観が台無しです。主な産業が観光業であるジャマイカにおいて、環境破壊や景観を損なう行動は自らの首を絞める結果になりかねませんが、ジャマイカ人はとても楽観的。何でも「NoProblem」で解決します。ゴミを持っているのが嫌だから、車の窓から投げ捨てる。ノープロブレム。だけど、本当はそれが大きな問題になるということを、少しずつでも伝えていければいいなと思う、今日この頃です。

さて、行政はどのようにごみ問題に取り組んでいるのか。廃棄物処理を担うのは、NSWMA(National Solid Waste ManagementAuthority)、日本でいうところの清掃局です。たまたま日本から廃棄物処理の専門家が視察に来ていたこともあり、ゴミの最終処分場の視察に同行させて頂きました。

ジャマイカには焼却処理施設がないため、ゴミは全て埋立処理。年々右上がりの廃棄物量に処理が追いつかず、調査中も自然発火による大火災が発生するなど、埋立地では度々トラブルが発生している様子。

そんなジャマイカでは処分場の維持管理を改善すべく、準好気性埋立システム(福岡方式)の導入を検討、専門家の派遣を強く希望しているとか!九州から発信された技術は遠くジャマイカにまで届いていましたよ!日本の技術力って本当にすごい。こちらに暮らすようになってから、日々日本人としての誇りを感じています。

ゴミの回収は、なんと24時間365日行っているとか!びっくりでしょ!それでもまだ収集が十分に行えず、ゴミを野焼きしている地域もあるとのこと。

なぜそんなに時間がかかってしまうのでしょう?それなのに町は汚い…なんだかおかしいぞ?ということで、ゴミ処理車に同乗してみることにしました。地元ルーシーの町で、早朝のゴミ回収を見学。集積所から溢れ出したゴミが道に山を作っています。梱包されていないゴミが多く、収集にあたる清掃局の皆さんは、ばらばらに散らばったゴミを掻き集めるのに時間を浪費しているよう様子。収集システムは確立されているものの、市民の間でゴミの投棄が正しく行われていないことが問題なのだとわかりました。

仕組みをどれだけ整えても、住民の意識が変わらないと意味がない。NSWMAと協議の結果、地域の学校での、ゴミの正しい梱包、廃棄についての巡回指導を始めることになりました。対象は小学生。これからしばらくは学校巡回の日々になりそうですが…

緑レンジャー、まるばやし。子供には大変不慣れです。あー、緊張する。

どうか温かく見守っていてください。