2011年7月25日
南米チリより黄レンジャー安藤圭吾です。
今回は廃棄物の視点から見た街中の様子について書いてみたいと思います。第一印象では、コピアポの街はゴミ清掃や収集システムが既に確立されているため、他のレンジャーの派遣国と比較するとかなり奇麗な印象を受けます。特に街路のゴミ清掃は少なくとも2日に1回行われるため、ゴミくずが数日間放置されるということはありません。ゴミ清掃はコピアポ市役所から業務委託を受けたCOSEMARという会社が実施しています(写真1〜3参照)。
右図の通り、コピアポ市内を3つの清掃地域に分けている。清掃日は以下の通り。
A地域(黄):月・水・金
B地域(青):火・木・土
C地域(緑):月〜土
写真1〜2の通り、清掃員一人一人が可動式のゴミ箱を持って、箒で清掃を行っている。写真3はゴミ収集車であり、地区毎に週1回回収を行っている。
写真1
写真2
写真3
また、分別やリサイクルの目的はないものの、街路の所々にゴミ箱が設置されており、このゴミも清掃時に回収されています(写真4-5)。このように街路の清掃システムはしっかり確立されていますが、一方でコピアポ市街に生息する野良犬の数も多いため(写真6)、野良犬によって回収前のゴミ袋を漁られることも多いです。よって写真7のように所々でゴミの散乱が見られます。また野良犬が生息するということは用足しも所構わず行うので、その形跡が街路の所々に見られ、それが街の景観を汚している要因の一つとなっています。市民もそれに気をつけながら歩いています。
写真4
写真5
写真6
写真7
この対策として、住民は写真8-9のようにゴミ捨て場を高くしたり、ゴミ袋を門扉に吊したりして犬が漁れないようにしていますが、一方でゴミ袋を直に置く住民も多く、完全な解決になっていません。また街中の通行人等を観察していると、ゴミのポイ捨てをする人も多く、まだまだ環境への意識が低いことが伺えます。そういう意味でもこの地で環境教育を行うことは意義深く、自分に課せられた課題を常に意識しながら、一人でも多くの市民や学生の環境へ関心を高められるよう活動を行っていきたいと思います。
写真8
写真9