エジプト 環境対策省 環境専門家 ヒガジーさん

  1. 報告者 Reporter KITA  川崎淳司 Junji Kawasaki
  2. 帰国研修員 Participant
    • 氏名 ヒガジー Mr. Mamdouh Amr Abdel-Aziz Higazy
    • 国名 エジプト Arab Republic of Egypt
    • 勤務先 環境対策省エジプト環境庁
      Egyptian Environmental Affairs Agency(EEAA)
    • 来日期間 2008年11月3日〜2009年2月27日
    • コース名 中東地域産業環境対策
      Industrial Pollution Control management For Middle Eastern Countries
    • 業務 環境専門家 Environmental Specialist
  3. 活動状況 Activities

    【写真】

    工場団地煙突群

    本人(Mr. Higazy Mamdouh)は、JICA研修で取上げたアクションプラン「アラブ・アブ・サイド地区のレンガ工場焼成炉で使用する燃料の重油から天然ガスへの転換」の完成に向け活動中です。

    【写真】

    焼成炉上重油バーナー(改善前)

    【写真】

    焼成炉上天然ガスバーナー(改善後)

    この地区は、エジプトカイロ市郊外にあり、約180のレンガ工場があります。これらの工場では燃料として約1,000t/日の重油が使用されていますが、硫黄の含有量が3〜4%と高く、燃焼効率も悪いことから、この近郊の大気は著しく汚染されています。従って、この重油をエジプト国内で豊富に産出し、安価に入手できる天然ガスに切り替え、大気汚染の減少を図るというものです。これらレンガ工場は、いずれも小規模な工場ですが、燃料転換で運転コストが削減され、且、工事費はエジプト汚染軽減事業費から長期低金利ローンの融資が受けられので、工場経営者の協力を得ることができ、現在逐次推進されています。

    日本では、重油から天然ガスへの転換により、SOxの環境基準が大きく改善されましたが、本人は、JICA研修を通じてその効果を実感しました。特に、環境改善効果はもとより、設備保全や操業管理の容易さを日本の窯業、化学工場、発電所、LNG基地等の見学を通じて知り得たことから、天然ガスの優位性を関係者に説き、燃料転換の啓蒙活動に大いに役立てています。現在は、各工場の経営者に対する融資の支援、工場とガス会社の契約調整、新規バーナーの調達など事業実施管理者として多忙な毎日を送っています。