トルコ トゥビタック・マルマラ研究センター 環境技術上級研究員 ドガンさん

  1. 報告者 Reporter KITA  川崎淳司 Junji Kawasaki
  2. 帰国研修員 Participant
    • 氏名 ドガン Mr. Ozgur Dogan
    • 国名 トルコ Republic of Turkey
    • 勤務先 トゥビタック・マルマラ研究センター化学環境研究所
      Chemistry and Environment Institute, Tubitak Marmara Research Center
    • 来日期間 2007年10月29日〜2008年2月22日
    • コース名 中東地域産業環境対策
      Industrial Pollution Control management For Middle Eastern Countries
    • 業務 環境技術上級研究員 Senior Research for Environmental Technologies
  3. 活動状況 Activities

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    本人(Mr. Ozgur Dogan)のJICA研修で作成したアクションプランは「産業廃水処理汚泥の固化処理」でした。その目的は、トルコの将来的主力産業である自動車工場の環境問題の中で、特に、大きな課題である自動車塗装工程で発生するリン酸塩スラッジの回収について、技術・経済両面で実行可能な処分方法を見出し、自動車産業全体に普及する、と言う内容でした。その活動状況について、今回、本人から以下の活動状況報告がありました。

    『自動車塗装工程のリン酸塩スラッジは、NiやZnなどの金属を含む有害廃棄物として位置づけられているが、今回、実験的調査研究を行い、その再利用の可能性を見出した。この研究は、凝結/安定化法を適用し、バインダーの選定、凝結/安定化プロセスの確立、回収製品の性能評価及び環境影響の明確化等に焦点を当てたものである。

    研究の結果、セメントが、リン酸塩スラッジ中のNiとZnの重金属の固定化に非常に有効であり、セメント固化物の圧縮強度、弾性、浸透性等は、リン酸塩スラッジ/セメント比率の増加に比例して悪化することが明らかになった。研究成果は、リン酸塩スラッジ1%をセメントと混合した固化物が、品質及び環境影響上利用できることを把握し、路盤材に用いても環境面の問題ないことが確認できた。』

    本人は、日本の有害廃棄物処理が、厳しい埋立基準を満足するため化学処理、セメント固化等が行われていることをJICA研修を通じて知り、その一つであるセメント固化の技術ポイントを今回、実験を通じて把握したものです。この成果が、今後、トルコ自動車産業に普及され環境改善に役立つことを期待します。