イラン 東アゼルバイジャン州環境省 上級環境専門官 アリポアさん

  1. 報告者 Reporter KITA  川崎淳司 Junji Kawasaki
  2. 帰国研修員 Participant
    • 氏名 アリポア Mr. Alipour Ali
    • 国名 イラン Islamic Republic of Iran
    • 勤務先 東アゼルバイジャン州環境省
      East Azerbaijan Province Department of the Environment (DOE)
    • 来日期間 2006年10月30日〜2007年2月22日
    • コース名 中東地域産業環境対策
      Industrial Pollution Control management For Middle Eastern Countries
    • 業務 上級環境専門官 Senior Environment Expert
  3. 活動状況 Activities

    【写真】

    なめし革

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    クロム回収反応槽

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    2008.2.18 IRAN NEWSPAPER

    本人(Mr. Alipour Ali)は、「Charm Shahr皮革工場におけるクロムのリサイクル」をアクションプランのテーマに取上げ、その実現に努力しています。

    イランでは全国1500以上の皮革工場があり、約35,000トン/年の皮革を生産していますが、これら工場の大半は、皮革の生産に健康に有害な硫酸クロムを使用しています。この硫酸クロムの70%は革に吸収されますが、残りはそのまま排出しているため、大きな環境汚染を惹き起こしています。その排出量は、年間6,000トンに及んでいます。Charm Shahr地域は、イラン東アゼルバイジャン州の主要都市タブリーズ市にあり、約200の小さな皮革工場があります。本人は、この地域の皮革工場から排出される有害物質のクロムの回収とリサイクルに取組んでいます。

    処理方法は、クロムを含む排水に酸化マグネシウムを添加し、沈殿したスラッジ(水酸化クロム)を硫酸で再溶解して硫酸クロムとして回収再利用するものです。

    今回は、モデル工場で試行し、硫酸クロムの回収方法を確立しました。この方法で得た再生硫酸クロムを使用した製品が、従来品質と全く変わりが無いことも確認出来ました。このアクションプランは、JICA研修の「廃水処理技術」(藤井講師)で得た知識を応用し、講師のアドバイスを受けて作成したものですが、今回は、日本で作成したアクションプランに本人の工夫を加えて、一つの工場の協力を得て実施し成功したものです。今後はCharm Shahr地区全体に広げていく活動に取り組んでいます。 この成功が、新聞(IRAN:NEWSPAPER18/2/2008)に報道され皮革業界に広く知れることになりました。