つっつん、今度はタンザニアへ行く!

【写真】筒井 慎之助(つついしんのすけ)さんJICAタンザニア事務所 企画調査員(ボランティア)
筒井 慎之助(つついしんのすけ)さん

今回は、JICA九州のフロントで働いていたときに青年海外協力隊に合格、トンガに派遣され、帰国したのち教師として働いていたものの国際協力への気持ちを抑えがたく、再びタンザニアに飛び出したつっつんこと筒井慎之助さんからお話を伺いました。

英語を使って人と関わる仕事がしたかった

研修員とわっしょい百万夏まつりに参加

もともとJICA九州のフロントで働き始めたきっかけは、「何か英語を使った仕事がしたい」と思っていたときに、ちょうどフロント員の募集があることを知り、人と関わりあうことが好きなこともあって、ぜひ働いてみたいと思ったからです。フロント員としての思い出は数々ありますが、その中でも印象に残っているのは、研修員たちが帰国する時のことです。まだ外は暗い早朝5時に帰国する研修員もいます。電気をつけてフロントで待っていると、たくさんの荷物をもった研修員が宿泊棟から出てきます。そしてその周りには早朝にも関わらず仲間である多くの研修員が別れを伝えに現れます。最後の別れを惜しんで泣きながら抱きしめあう研修員の姿にはいつも胸が熱くなりました。彼らには国籍なんて関係ありません。どの研修のグループにもドラマがありました。出会いも多ければ別れも多いフロント員業務ですがそんなドラマを近くで見ることができるのもフロントで働いていたからでした。

青年海外協力隊で海外に行ってみたい

フロントで研修員と

フロント員としてJICA九州で働いている間に、研修員たちからそれぞれの国で活動している青年海外協力隊員の話を聞く機会がたくさんあり、興味を持ち始めました。また、募集時期には職場で説明会や体験談の情報を身近に得ることができたことや、青年海外協力隊の経験者も身近にたくさんいる環境だったこともあり、どんどん協力隊への思いが膨らんでいきました。この思いを形にするため、働きながら日本語教師の勉強を続けてついに資格を取得しました。この気持ちを理解し応援してくれたフロントのみなさんには感謝しています。

そして、トンガへ

子連れのカウンターパートと授業中

ジャパニーズウイークを生徒と

トンガへは中等教育学校(日本での中学1年生から高校3年生にあたる)に日本語教師として派遣されました。始めのころは、思いがけず涼しい気候に驚いたり、日本人とは違う時間の感覚に戸惑ったり、言葉の壁に悩んだりの日々でした。しかし、積極的に現地のことやもの、ひとと関わっていくことを続けているうちに、いつしか同僚の先生と家族ぐるみの付き合いをするようになり、トンガ語も上達して、活動も活発に行えるようになりました。

活動の中でも最も思い出深いのは、Japanese Weekです。他にも“English Week”や“Science Week”などすべての教科に対して日頃の成果を発表するための一週間が設けられていて、休み時間などを利用して発表を行います。全校生徒参加のイベントなので、協力隊員の活動や日本の文化を知ってもらうのに絶好の機会でした。この一週間は他の隊員にも手伝ってもらい、すいか割り、そろばん計算大会、日本についての○×クイズ、騎馬戦、日本食体験、着物の試着など、盛りだくさんの盛大なイベントとなりました。日本語の生徒たちが積極的に取り組み、たくさんの生徒たちが日本の文化を楽しんでくれたことは本当にいい思い出になっています。

トンガで見つけたこと

トンガで研修員と再会

そんなイベントや日々の日本語の授業のかたわら、より良い活動を行うために何をしたらよいのかを考えた結果、これまでトンガに派遣された代々の日本語隊員の報告書、日本語隊員部会の議事録を読み、まとめてみることにしました。そうすることで、同じように悩み、試行錯誤し、それぞれの方法で取り組んでいた先輩隊員たちの存在をあらためて感じ、歴史を把握することで見えてくることがあると痛感しました。

「今だけでなく、過去を見て未来をつくる」

これが私の目標になりました。

帰国して、教師に

青年海外協力隊の2年の任期を終えてトンガから帰国した後、再度短期隊員としてトンガに行く機会に恵まれました。最初の任期中から、生徒と過ごす時間にやりがいを感じ、帰国したら教師になりたいと思っていたこともあり、帰国後は埼玉県にある私立高校で英語の非常勤講師として働き始めました。偶然ですが、この高校は私がトンガで活動していた学校の生徒をラグビー留学で受け入れている高校で、強い縁を感じました。

国際協力への思い、絶ちがたく・・・

トンガの懐かしい風景

希望通りの仕事に就いたはずの私でしたが、トンガ人の留学生と関わる機会があるためか、ふと気づくと考えるのはトンガで過ごした日々のことばかり。高校での教師生活もやりがいはあり、特に不満というわけではないのにこれはどうしたことか・・・その理由を自分なりに考えた結果、より自分の考えで行動し、関わりあう人たちと何かを作り上げていくことができる環境を求めている自分に気が付きました。
そのうちに、ボランティアのニーズを掘り起こして途上国からの要請を案件として作り上げたり、トンガでの隊員時代の自分のように活動に悩み、よりよい活動を目指すボランティアのサポートを行ったりすることができる企画調整員の仕事に魅力を感じ、挑戦したいと思うようになりました。

今度はタンザニアへ

新しい土地、タンザニアでスタートをきりました!

応募の際に、できればまったく新しい土地で経験を積みたいと考えてアフリカの国を希望しました。その結果、タンザニアへの赴任が決まり、2012年8月に着任しました。
アフリカも初めて、企画調査員の仕事も初めてと、初めてづくしですが、隊員経験を通して培った柔軟性や適応能力を十分に駆使して、日々の業務に励んでいます。
そして、トンガで見つけた「今だけでなく、過去を見て未来をつくる」という目標を胸に、これからのタンザニアでの日々を過ごしていきたいと思っています。