建物管理主任 総括 林 宏行(はやし・ひろゆき)さん
フロント主任 貴志 理恵(きし・りえ)さん
JICA九州がこの北九州市八幡に出来てから21年が経ちました。…九州の玄関口の北九州で、世界の人々に九州各地の技術を伝えるため、そして、九州の人々と一緒に国際協力を実施するため、様々な事業に取り組んでまいりました。そんな、JICA九州の国際協力を支えてくださっている人たちに今回はスポットをあててみたいと思います。
A.(林総括)JICA九州で仕事をするきっかけは平成13年の社内異動でした。決まったときは不安もありましたが、多くの国々の人が訪れるセンターということで、期待でわくわくしていました。
(貴志主任)大学でドイツ文学を専攻し、在学中にドイツにホームステイをしたときに経験した異文化や、現地の人々のホスピタリティー精神に感激をして、日本でも活かしたいと考えていました。結婚し、子どもも小学生になったので、もう一度社会に出たいと考えていたとき、ちょうど新聞の求人広告をみて“これだ”と思いました。
A.(林総括)ハード面がとても充実しました。例えば、宿泊棟にインターネットがひかれたり、ATMが設置されたり…最近では、セキュリティードアがついたことでしょうか。安全面が確保されたり、図書館も土日開館になったり、食堂メニューも月替わりでバリエーションが増えたりと、いろいろな人が気軽に訪れることが出来るオープンなセンターになったと思います。
(貴志主任)私も同じく、20年前に比べて市民の方との距離がとても近くなったと思います。設立当初は、周辺に何もなく、今のような展示や写真もなく、市民との交流イベントなどもありませんでした。JICAが広報に力を入れるようになって、少しずつ開かれたJICA九州なっていったと思います。
A.(林総括)“楽しい職場”です。研修員や市民の方、関係団体の方など、一日でたくさんの人と出会うことが出来るので、一日があっという間に過ぎてしまいますね。
(貴志主任)“八幡にいながら、世界の中の日本人であることを意識させてくれる職場”です。このセンターで働く前は、世界の出来事をテレビやニュースで知るだけだったのですが、たくさんの国々の研修員と出会う中で、“日本人であるということは何か”を問いかけています。
A.(林総括)施設の運営で一番気をつけていることは、“適切な維持管理”です。研修員や働いている人の満足度がどのようにしたら向上できるのか。そして、多くの人が、訪れ、働いていますから、安全対策の徹底も常に意識した管理運営を心がけています。
(貴志主任)フロント業務で一番気をつけていることは、“どの国や地域の人にも公平に接すること。”色々な国の方からのそれぞれ違った色々な要望がフロントには届きますが、それぞれの要望を聞きながらも、全ての研修員に不公平感を持たせないサービス。そして、その中で“最大限のサービス”が提供できるように心がけており、スタッフにも指導しています。
A.(林総括)研修員が、数日〜1週間程度の研修旅行に出かけるのですが、センターに戻ってきたとき、“I'm home!=ただいま!「うち」に帰ってきた!”といってセンターに入ってくるときはとても嬉しいですね。スタッフ全員で、研修員の名前や顔を覚えて、温かい環境を作るように心がけています。
また、思い出に残っているエピソードは、ブラジルの研修員が、体調を崩して病院に行ったときのことです。一日入院をすることになったのですが、戻ってきて、「相談がある」といって、深刻な顔で呼び出されました。そして、「僕は、がんなのか…」と泣きそうな顔をするのです。「わからないけど…」といいながら、詳しく話を聞くと、病院内で看護士さんが、「検査(ケンサ)をしますよ。」という言葉の、“ケンサ”が、英語の“cancer=ガン”に聞こえたらしく、彼は、自分がガンだと思い込んでしまったようです。説明をするとほっとした表情をしていました。
(貴志主任)各国の独立記念日に、お祝いのA2サイズのポスターを作成し、国旗と一緒にその日一日飾るようにしています。毎回、その前で研修員が写真を取ったりしてとても喜んでくれているのをみて、とても嬉しくなります。それと同時に、私たち日本人と比べて、愛国心がとても強いのを感じます。ワールドカップの時には、ブラジルの研修員が国旗を持って、走り回っていたのを覚えています。国旗も、彼らにとってとても大切なものなのだと感じました。
A.(林総括)“人と人のつながり”このセンターで働いていても、いろいろな人とかかわりながら仕事をさせていただいています。このつながりが、国際協力 につながっているのだと、日々感じています。
(貴志主任)“国や民族の考え方を理解して認めることから始まるもの”だと考えます。スタッフにも宿泊している研修員と接するときには、このような姿勢を大切にするように日々伝えています。
A.(二人)最初も述べたように昔から比べて、市民との距離もとても近くなり、センター自体もとてもオープンなものになりました。それでも、まだ、JICAや国際協力のことを知らない人はたくさんいます。そういう人たちにも足を運んでもらって、国際協力を知ってもらえるような市民に身近なセンターになったらいいですね。
多くの方のサポートがあって、JICA九州の事業が行われています。約50カ国の国々から、年間約800名の研修員が訪れています。また、食堂”JICA-Fe”もたくさんのメニューを取り揃えて、最近は市民の方もたくさん来てくださるようになりました。また、日々の細やかな取り組みのおかげで、多くの市民の方に親しまれています。
林総括や貴志主任をはじめ、JICA事業に関わる全ての方々とともにこれからも九州での国際協力の発展に取り組んでいきたいと思います。
JICA九州 総務課 京谷悠子
建物管理主任 総括 林 宏行さん 九州国際センターの建物管理の総括責任者として9年たずさわる。日系ブラジル2世。ポルトガル語と日本語のバイリンガル。多くの研修員、そして市民からも親しまれている。
フロント主任 貴志 理恵さん 九州国際センターのフロント責任者として21年たずさわる。堪能な英語を活かし、各国からの研修員にも厚い信頼を得ており、どんなことにも冷静かつ的確に対応してくださる頼もしい存在。
各国の記念日に手作りのポスターを作ってお祝いしています。
みんなとても喜んでくれています。
タイの国王誕生日に記念撮影