JICA研修員(「メカトロニクス・ロボット実践技術」コース)
Maria Esther Munoz Perez(マリア・エステル・ムニョス・ペレス)さん
今回はJICA九州の「メカトロニクス・ロボット実践技術」研修(2011年1月−4月)に参加しているメキシコの研修員、Maria Esther Munoz Perez(マリア・エステル・ムニョス・ペレス)さんに母国メキシコのこと日本の感想、帰国後の活動についてお聞きしました。
A:メキシコはご存知のように大きく、自然豊かな国です。面積は約200万平方キロメートル、人口は約1億。人々は親切で、親しみやすく、陽気です。
私の出身地は、アメリカ合衆国と国境を接するバハ・カリフォルニア州の州都メヒカリ市です。生活水準はメキシコの中でも比較的高く、安全な都市です。人口は約100万人です。
一年のうち半年はとても暑く、最高気温が45度くらいになることもあります。 これに対し、冬は0度から5度くらいになり、厳しい気候です。
A:短大レベルの専門学校で学生たちにメカトロニクス分野の授業を行っています。私が働いている学校は産業界と密接な関係があり、多くの卒業生が民間企業で技術者として活躍しています。もちろん大学に進学し、更に専門的にメカトロニクス分野や機械分野、電気・電子分野を学ぶ卒業生もたくさんいます。
A:まずは、私が日本で学んだ最新のメカトロニクスの知識を学生に教えたいと思っています。
また、私と同じように専門学校で働いている教員のレベル向上のため、私が日本で学んだメカトロニクス分野の知識を共有しなければなりません。具体的には、年に数回行われる教員向けの能力開発研修の中で、私が学んだメカトロニクスの知識を盛り込んだ研修カリキュラムを作成し、他の教員に対し研修を行います。その際、以前JICAの研修に参加した教員が他の専門学校にいますので、その人たちとも協力してこのカリキュラムを作成し、研修を行う予定です。
A:「清潔!!」
本当に日本はきれいです。メキシコとは比べものになりません。来日当初は他の惑星に来たかと思ったほどです。
また、日本人の環境に対する意識が高いことに驚きました。メキシコ人も環境への意識は高いと思いますが、日本人の意識の高さはメキシコ人とは比べものになりません。非常に驚きました。
そして、日本人はとても親切です。私のつたない日本語にも辛抱強く耳を傾けてくれます。本当にうれしいことです。
A:今回の震災のとき、私は研修旅行で宮崎県にいました。その時、津波が来るかもしれないということで、外出せずホテルにとどまるように指示がありました。そして、翌日の宮崎での研修プログラムは中止になりました。その際、非常事態であるにもかかわらず、日本人の対応が粛々と行われたことがとても印象的です。その後も、震災による停電の影響で東京の研修旅行が中止になったのですが、そのときの研修関係者の対応も淡々と行われ、驚いたと同時に、このことで、私は日本に滞在し、研修を続けることに安心感を覚えました。メキシコの家族や友人は、震災の影響をとても心配しましたが、九州は被災地から離れていることなどを説明し、「大丈夫、研修は続けられる。」と伝えました。
他に心に残る思い出は、研修の講師の方々がとてもわかりやすくメカトロニクスの技術について教えてくださったことです。どんな質問にも丁寧に答えていただいたことには感銘を受けました。
また、同じ研修に参加しているコロンビア、ルワンダ、エジプト、トルコの研修員もそれぞれにメカトロニクスの知識を持っており、それをみんなに共有してくれたことにも感動しました。
A:まずはこの度の震災で犠牲になられた方に哀悼の意を表したいと思います。
日本の技術力を信じ、被災地の復興を信じています。
そして、今回私が日本ですばらしい研修に参加できメカトロニクス分野について多くを学べたことに対し全ての日本の方々に感謝したいと思います。
私は以前から日本に来て私の専門であるメカトロニクスの知識を更に深く学びたいと思っていました。その願いが叶い、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
エステルさんは明るく、本当に穏やかな方でした。
研修終了日も近く、レポート作成やその発表会の準備などでお忙しいにもかかわらず、快く、インタビューに応じていただきました。
震災の影響で、東京と宮崎の研修プログラムが中止になったことは非常に残念だったようですが、その際の日本人の対応振りがとても印象深く、日本人に対する信頼が更に厚くなったようでした。
エステルさんのメキシコでのご活躍を祈念いたします。
また、エステルさんのスペイン語を通訳していただいた三木富美江さんに感謝します。
JICA九州 研修業務課 亀田尚子
日本で一番身近で、大事な存在。コースリーダーの谷口リーダー(前列左)、研修監理員の松平コーディネーター(前列右)、そして、同じ研修コースの仲間、(後列左から)チャールズさん(ルワンダ)、オクタイさん(トルコ)、ウィリアムさん(コロンビア)、エステルさん(メキシコ)、アハメッドさん(エジプト):女性参加者はエステルさんだけ、あとは男性陣ばかりです。
講義のあとは、JICA九州体育館で仲間たちと卓球。試合中は大きな歓声が上がっていました。
今回、スペイン語通訳をお願いした三木さんとツーショット。気が合ってすぐに仲良し。