「創造的復興に向けた中小企業海外展開セミナー〜JICA事業を活用した海外展開事例紹介〜」@熊本を開催しました!

2017年4月4日

株式会社ナガオカ 大橋氏

株式会社ヤマウ 芳氏

株式会社日本リモナイト 嶋田氏

 3月17日(金)、JICA九州は熊本県と共催で「創造的復興に向けた中小企業海外展開セミナー〜JICA事業を活用した海外展開事例紹介〜」をホテル熊本テルサにて開催しました。

 同セミナーは、海外事業展開に関心のある企業や関係機関を対象に、約40名の参加の下、行われました。
 冒頭、JICA九州 井崎宏所長は開会のあいさつで、2016年8月に策定された「平成28年熊本地震からの復旧・復興プラン」の中で中小企業をはじめとした地元企業の振興と国際化の推進が大きな柱として位置付けられていることに触れ、熊本県内企業の海外での事業展開を図る際にはJICAの中小企業海外展開支援事業等も活用してほしいと強調するとともに、熊本県と連携しながら県内企業の海外展開を後押ししていくことを通じJICAとしても創造的復興へ貢献していきたいと述べました。続いて、共催者の熊本県からは商工観光労働部 観光経済交流局 国際課 小金丸健課長より、「平成28年熊本地震からの復旧・復興プラン」の取組の大きな柱の一つとして「世界とつながる新たな熊本の創造」が打ち出されており、「熊本ブランド」を世界に展開するため、国際人材を育成し、世界と熊本をつなぐヒト・モノの流れを創出することを目指していると触れ、その中でアジアを中心とした海外事業を安全かつ効率・効果的に展開させていく上でJICA事業を活用することは有用と、参加者に対し支援施策の一つとして勧奨されました。
 セミナーでは、まずJICA東南アジア・大洋州部 米山芳春次長より、東南アジアの投資環境や経済状況等について紹介があり、特にインドネシア、タイ、ベトナムを中心に最近の企業進出の動向や傾向等について説明しました。加えて、東南アジアの物流を促進する取り組みとしてJICAが進める国際幹線道路「南部経済回廊」を紹介、ベトナム〜カンボジア〜タイ〜ミャンマーを繋ぐインフラ整備とともに国境間の通関の円滑化を図るための電子化支援等ソフト面の協力を進めている旨説明がありました。
 次に、JICA中小企業海外展開支援事業の事例紹介として、株式会社ナガオカ(大阪府)、株式会社ヤマウ(福岡県)、株式会社日本リモナイト(熊本県)の3社に事業内容を発表いただきました。
 まず、株式会社ナガオカの大橋様より、2016年3月にJICAより受託したベトナムでの「普及・実証事業」を基に、「普及・実証事業を活用した水処理装置のビジネス展開」と題して同社の取り組みについて紹介されました。同社は、JICA事業受託する前より独自でパイロット機をベトナムに導入し、ベトナム公的機関から性能評価を得るなど準備を進めていましたが、ベトナムでは同国内での販売実績等がないと新規受注は難しいことが判明したことから、国内実績を着実に残すための方策として「普及・実証事業」の活用に至ったなど応募の動機や、普及・実証事業を通じハノイの浄水場に設置した水処理装置により約15万人のハノイ市民へ安全・安心の水供給が可能となるなど、現地の人材育成も含めた普及・実証事業での取り組み内容の紹介がありました。
 続いて、株式会社ヤマウの芳海外事業部長より、「プレキャスト製品でインドネシアの浸水問題を解決する案件化調査」と題し、同社の取り組みが紹介されました。同社の海外事業部立ち上げから関与されてきた経緯や、これまでに様々な支援機関の支援メニューを活用し海外展開への準備を進めてきたこと、JICA「案件化調査」への応募動機や、JICAを活用することによるメリット(事業目的・目標の明確化、経費の透明化による健全な経営、業務計画・スケジューリングの明確化)について説明されました。
 事例紹介の最後には、熊本県企業となる株式会社日本リモナイトの嶋田S.D.部長より「マレーシアのケナフと日本の天然ミネラルリモナイトを活用した水質浄化普及・実証事業」について紹介されました。
熊本阿蘇の地下に広がる鉄鉱石「リモナイト」の唯一無二の特徴と脱硫・脱臭効果の高い機能性を活かした環境改善に資する様々な製品展開について紹介されました。また、現在マレーシアで実施中の「普及・実証事業」について、リモナイトと現地でとれる「ケナフ」を組み合わせた排水処理装置を現地のパーム油工場に導入し処理能力の実証を行っていく予定である旨、今後の事業の展望について説明されました。
 セミナー後半では、JICA国内事業部中小企業支援調査課より、中小企業海外展開支援事業について、事業概要・制度の説明及び事例紹介を行いました。続いて、熊本県より企業の海外展開支援施策として、海外拠点・ビジネスアドバイザーの設置状況や補助金事業の紹介がありました。また、ジェトロ熊本からも海外展開支援メニューとして輸出等の海外展開に関する支援や個別支援等の概要の紹介がありました。
 参加者からは、海外展開の際の知的財産の管理について質問があり、株式会社ナガオカからは「独自の浄水システムが盗まれないよう、部分的に海外特許を取っている」こと、株式会社ヤマウからは「インドネシアで特許を申請中」、また株式会社日本リモナイトから「マレーシアの排水処理装置についてはマレーシア側とも協議しているが、阿蘇リモナイト自体は採掘権と鉱業権で守られており、その製法についても特許をとっている」と、それぞれの対応状況を紹介する等、積極的に質疑応答のやりとりが展開され、参加者の海外展開への関心の高さが伺える内容となりました。
 また、セミナー最後の交流・名刺交換会では、今回登壇した企業と参加者との間で活発な情報交換が行われました。

 今回のセミナー開催にあたり、共催の熊本県をはじめ、後援の熊本商工会議所、(一社)熊本県工業会連合会、(一社)熊本県貿易協会、ジェトロ熊本、(公財)くまもと産業支援財団、肥後銀行、熊本銀行、熊本日日新聞社など多くの関係機関にご支援・ご協力をいただきました。
 
 JICA九州では、民間企業と協力して地域創生に貢献していくため、引き続き多様なパートナーと連携しながら企業の海外展開をサポートしていくための関連セミナーや講演会等の各種イベントを企画・実施する予定です。