「2018年度事業マネジメント研修」参加者のレポート

2018年11月5日

JICAではプロジェクトを実施する上で重要となるPCM(プロジェクト・サイクル・マネジメント)手法の習得を目的とし、事業マネジメント研修(基礎編・実用編)を開催しています。
プロジェクトデザインの作り方、モニタリング・評価の方法などをワークショップを通じて学んでいただく形となっており、特に、草の根技術協力事業を実施中、または提案を考えている方には効果的な研修です。
今回、JICA九州での「2018年度事業マネジメント研修」を受講された九州大学大学院の白石レイ氏にレポートを作成して頂きましたのでご紹介致します。

2018年度JICA九州での事業マネジメント研修を受講して

【画像】九州大学大学院 芸術工学研究院 田上研究室
芸術工学府 博士後期課程
日本学術振興会 特別研究員
白石 レイ

 今回、JICA九州において開催された「事業マネジメント研修(基礎編・実用編)」を受講させていただきました。1日目に行われた基礎編では、草の根技術協力事業の事業概要などの基本項目についての講義の後、事業計画表の構成などについて演習を通して学びました。2?3日目に行われた実用編では、事業のモニタリングや評価の方法について、講義と演習を通して学びました。
 私が受講させていただいた時は、既に所属団体が応募した支援型事業の採択が決定していた段階でした。応募に至るまでの半年以上もの間JICA九州の方に協議の場を設けていただき、マンツーマンでご教示いただいていましたので、基礎編に関しては比較的既知なことも多く、少し余裕がありました。同時に、個別に辛抱強く細かなことまでご説明くださったJICA九州の方々には大変お手数おかけしてしまったという反省もありました。基礎編の内容は応募準備に最適だと思いますので、皆さん是非応募前に一度受講されて、その後に応募書類の作成を始められると良いのでは、と思います。特に、事業計画表については、構造が難しく、テクニカルなことが多くありますので、専用の研修がないときちんとしたものを作成するのは非常に難しいと思います。実は、採択の前年に提案事業が一度不採択になったことがあるのですが、その際は事業計画表について理解が十分でないまま、様式を単に埋めたものを提出しておりました。今考えると、あの事業計画表で採択していただけるはずがないのです。基礎編を受講していれば、そのことに事前に気付けたのかもしれません。

【画像】 一方、実用編に関しては、知らないことばかりでした。多くの専門用語が飛び交うなか、配布されたパワーポイントの印刷物を行ったり来たり、周りの参加者と一緒に一つ一つ確認しながら理解していきました。実際に事業をどうマネジメントしていくかという、実践に直結する学びでしたので、事業開始直前の私たちはベストなタイミングで受講できたのではないかと思います。スケジュール計画表など、草の根協力支援事業を進めていく際には、様々な計画のフォーマットの提出が求められます。研修の中では、これらが個々にもつロジックや、相互の関係性について、質問を通して深く学ぶことができました。特に、研修受講の最大の利点は、提出義務のないものの作成が推奨される計画フォーマットについて理解できたことです。実践段階において非常に役に立つものだと感じました。今後、事業開始に向けて、応用編で学んだマネジメント手法を最大限活用し、スムーズに事業を進めていけるよう努めたいと思います。

【画像】 研修では、応募様式からは汲み取ることのできない、プログラムやフォーマットの意図を実体験をもって理解できました。とても有用だったと感じています。また、この事業マネジメント研修は、対象者をJICA草の根支援事業関係者のみに限定せず、広く市民に開かれているということで、営利目的のビジネスマネジメントではない社会のためのマネジメント手法を提供する、大変希少性の高いものかと思います。さらに、小さな団体にまで国際協力の門戸が広く開かれているということを市民が感じることのできる、重要な窓口でもあるのではないのでしょうか。この度は受講の機会をいただき、ありがとうございました。