<イベント報告・大分>「中村哲医師 記録映像上映会」を開催しました

2020年2月28日

永田謙二国際協力専門員による講演

質疑応答の様子

ペシャワール会の藤田氏による講演

JICAの広報ブース

 2月18日(火)、「中村哲医師 記録映像上映会」を大分市のJ:COMホルトホール大分 小ホールにて開催しました。

 大分市国際都市交流親善会議とJICAデスク大分が初めて共催で行ったこのイベントは、国際協力や多文化共生に関心を持ってもらうために企画されました。

 プログラムは19時から21時15分までの2時間15分の構成で、上映に先立ち、中村医師と親交があり、アフガニスタンのJICAプロジェクトに長年に渡り携わっているJICAの水資源・防災分野の永田謙二国際協力専門員より、「アフガニスタンの地域社会と中村哲先生の灌漑事業」と題して講演が行われました。中村医師による、地域社会を重視した灌漑事業の特徴や農村復興支援について、写真をスライドで見せながら、功績の大きさを伝えるとともに、中村医師が語っていた力強い言葉の数々が紹介されました。JICAは現在、PMS(※)灌漑事業のガイドライン作りを支援しています。
 ※PMS:Peace (Japan) Medical Services(=平和医療団・日本)

 続いて、中村医師の活動を記録した映像「アフガニスタン 干ばつの大地に用水路を拓く -治水技術7年の記録-」が上映されました。来場したおよそ200名の観客は、中村医師が地域社会を尊重しながら、現地の人々を巻き込んで共に用水路建設に立ち向かい、干ばつの大地が水資源を取り戻して緑の大地へと変わったことに感銘を受けていた様子でした。1時間ほどの映像の中では、重機を自ら運転しながら現地の人々とともに何度も試行錯誤を重ね、また、人々の前で激励を送りチームワークを高めようとする中村医師の姿が映し出されていました。

 上映後には、医療NGO「ペシャワール会」でPMS支援室室長を務める藤田千代子氏の講演が行われました。藤田さんは約20年に渡り、現地で看護師として中村医師の活動を支え、現在は福岡市の事務局から現地活動を支援しています。講演では中村医師の近著「アフガン・緑の大地計画」も紹介され、中村医師の意志を引き継いで今後も続いていく現地での支援活動への協力を呼びかけました。当日、会場にはペシャワール会のブースが設けられ、中村医師の書籍やDVDの販売も行われました。

 以下、イベント後のアンケートより、感想を一部ご紹介します。
「日本国内では知ることができない中村医師の取り組みや今の支援を知ることができました。水、食べ物の自給ができる支援が本当に大事だと思いました。」
「中村医師がこれだけ大きな事業をされている事を知りませんでした。日本人でこんな人がいたとは想像もつきませんでした。素晴らしい人を亡くした。残念。」
「中村医師の強い意志と決意が生き続けていることがよく伝わりました。」
「TVや本で知った事以外の話も知る事が出来て良かったです。」
「知っていると思っていたことはほんの一部だとわかって我ながら情けないと知らされた。大変有意義でした。」
「今まで知らなかったアフガニスタンのことや中村医師の活動のことがよくわかって、とてもよかった。」
「命と平和の大切さ、可能性、希望、力を合わせれば未来へ続くと説得力のある時間でした。」
「『平和』とは何かを考えさせられた。国際協力といっても『人』と『人』をつないでいく心が大切。」

ご来場下さった皆様、誠にありがとうございました。