健康に生きるためにできること

2018年4月25日

青年海外協力隊:中村真実
職種:看護師
配属先:チルヌマンディディ郡保健局
任期:2016年6月~2018年6月

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中村隊員は、2016年7月にマダガスカルに看護師として赴任し、マダガスカル語の語学訓練を受けて、同年8月に首都アンタナナリヴから210km西に位置するチルヌマンディディに配属されました。同地域への協力隊派遣は、2009年に起こった政変で中止となって以来、初めてとなりました。主な活動対象地域は、居住するチルヌマンディディ市内に加え、市内からタクシーブルースと呼ばれるバスで、20分から30分移動した農村地域です。

任地に赴任後は、覚えたてのマダガスカル語を駆使し、様々な調査や観察により、ニーズ調査を行いました。そこで見えて来た課題が、住民の栄養状態の悪さやその原因となる食事の栄養バランス、医療サービス情報へのアクセスの悪さです。地域の基礎保健センターと呼ばれる医療施設まで道の状況が悪く、住民が簡単に利用できる交通手段もありません。また、妊婦や、その乳児の健康状態を知るための定期健診を受けないこと、医療サービスを受けるための情報も十分に伝わっていないことなど、課題は多くありました。まだまだ未電化地域が多く残るマダガスカル農村部(地方部の電化率は10.7%(世銀2014年調べ))における情報伝達は、人から人への伝達がメインとなりますが、この情報を伝える役割を担うのが地域の保健・栄養ボランティアの人々です。中村隊員はこの地域ボランティアと医療機関で勤務する医者や看護師などをつなぐ役割を担いながら、地域の人々を対象に啓発活動に取り組みました。日々、手洗い啓発、栄養素勉強会、料理講習会、妊婦や乳幼児の定期健診など、栄養不良や病気を未然に防ぐために予防啓発活動を実施する中で、根本的な問題にたどり着きました。それはそもそも住民の多くが、健康を保つために栄養価の高い食事が摂れる環境に置かれていないという点です。そこで始めたのが、栄養価の高い野菜を栽培することです。マダガスカルの住民にとって、たんぱく源となる肉や卵は高価なぜいたく品です。そのためタンパク質の摂取量が不足しがちであることから、高たんぱくの大豆を学校の校庭で栽培してみました。マダガスカルでは、大豆を食べるのは一般的ではありません(大豆は家畜の餌)が、地域で豆乳が流行り始めたこともあり、大豆栽培を始める農家も増えているので、消費にも大きな抵抗はないと判断しました。一年目はうまく成長し、収穫後は大豆栽培に取り組んでくれた生徒や先生らと共に料理をし、栽培して実際に料理して食べるまでを伝えました。校庭で栽培しているのは、大豆だけではありません。かぼちゃやとうもろこしなどにも挑戦しています。うまく育たなかったり、鶏に食べられたり、育った野菜を盗まれたりとうまくいかないことも多くありますが、子供たちが自分の家から肥料を持って来て蒔くなどして、大きく育った時はとても嬉しいと言います。

農村部地域には高い専門知識を有した農業や医療従事者などがいるわけでもなく、住民が厳しい環境の中で生きていくには、稲作、野菜栽培、畜産、商売など様々な技術や手段を駆使する必要があります。中村隊員は看護師という専門知識と経験を持ちながらも、健康に生きるためには何をする必要があるのか、地域住民の視線で考え、できることに挑戦しています。