青年海外協力隊「ムジンバ県南部HIVプロジェクト」最終報告会を開催

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活動報告する隊員

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ワークショップに参加するCBOメンバー

ボランティアプロジェクト"Strengthening the Capacity of Community to implement HIV and AIDS activities"が終了するにあたり、2013年6月4日に、最終報告会を開催する機会がありましたので、ここにプロジェクトの成果ならびに課題について報告いたします。

このプロジェクトは、2009年2月にマラウイ国ムジンバ県とJICAとの間で計画・合意されたものです。ムジンバ県南部の5つの対象地域にあるCBO(Community Based Organization)を活動対象とし、このCBOの運営能力を強化することでHIV/AIDS対策を強化する為に、青年海外協力隊エイズ対策隊員13人が4年半に渡り、対象地域に派遣され、活動してきました。
このプロジェクト全体としては主に、CBOがより円滑にHIV/AIDS関連の活動を行う為のサポート、4半期毎に対象地域の代表者が集まっての会議開催の補助を行ってきました。結果として、4半期会議はこの4年半開催され続けており、プロジェクト対象地域のCBOの情報共有に貢献しました。また、いくつかのCBOは予防啓発活動を始めとしたHIV/AIDSに関連した活動を自身で行えるようになっており、プロジェクトにより確実にCBO運営能力は向上しているといえます。プロジェクト対象地域では、開始当初CBOは41でしたが、現在は86と増加しており、こちらも対象地域における密なHIV/AIDS活動に貢献しています。
青年海外協力隊員は、World AIDS DayやCHBC(Community Home Based Care)トレーニング、HTC(HIV Testing and Counseling)キャンペーン等を通して、地域に貢献してきました。これらのイベント参加者は数えられるだけでも8000人を越えます。その他、各配属先任地で月例会議開催や巡回訪問によるCBO運営能力強化の指導等が実施されているので、利益の受給者は多数おり、その実際の数は数えることは出来ません。加えて、TA(Traditional Authority)、ADC(Area Development Committee)等の現地特有の社会構造や現地NGOとCBOとの間の連携促進は、プロジェクト終了後の活動の継続性に寄与しています。

CBOの課題について、それを明確にする為に最終報告会当日にワークショップを開催しました。ワークショップにおいては、地域のニーズとそれに対するCBOの役割、達成できたことと今後の課題について現地住民自身が発見できるようにデザインしました。
最終的に出てきた課題、やるべきこととして、「食の安定」の為の「畑の確保」、「CBO運営強化」の為の「人員・財源確保」、「収入源確保」の為の「肥料不要の作物の栽培」「IGA」、「外部支援者を見つける」為の「提案書の作成」、「事務所建設」の為の「地域との連携」等が挙がりました。
これらの課題については一般的にHIV/AIDS対策と言われる、予防啓発や母子感染予防、検査、ケアサポート等が出てきていないことが興味深いです。CBOが活動対象としているのは、社会的弱者と呼ばれるグループで、その中にHIV陽性者やAIDS患者が含まれます。今回のワークショップでは「食」に代表される様に、対象としているグループの生活基盤の脆弱性が示唆されています。また、「外部支援者」や「収入源確保」といった課題からは、それらのグループ支えるべきCBO自身の運営能力がまだ十分で無い事を示唆していると言えます。
とはいえ、これら一見してHIV/AIDSと関わりのない課題も、これからマラウイ国でHIV/AIDS対策を担うCBOの重要な課題であり、これらを軽視するわけには行かないでしょう。また、CBO自身もHIV/AIDS対策を行う上で、運営能力が重要な課題であることに気付いたのではないかと思います。
プロジェクトが終了しても、JOCVはまだ活動をしています。職種にとらわれず、現地住民の意思を汲み取り、現地の人々と共にこれからも活動していければと考えています。

末筆になりましたが、今回の最終報告会に携わった方々ならびに、今までこのプロジェクトに携わった方々に御礼を述べたいと思います、本当にありがとうございました。

(平成23年度2次隊 エイズ対策 小野 貴史)