「地方給水運営維持管理プロジェクト」マラウイ内関係者及び開発パートナー・NGO向けワークショップを開催

2013年10月4日

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プレゼンテーションを行うカウンターパート

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グループワークで議論する参加者

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【事例紹介】啓発活動の結果、村人が自発的に井戸周りにフェンスを作成(衛生上の理由から家畜の侵入を防ぐため)

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【事例紹介】井戸施設の構造・修理に関する研修を受ける村の給水委員会メンバー

プロジェクト期間(4年間)の折り返しのタイミングとなる2013年9月19日に、「地方給水運営維持管理プロジェクト」では、これまでのプロジェクトの進捗・成果を各関係者に対して報告するとともに、プロジェクトで生み出された成果の将来的な全国展開に向けて、マラウイ各県・地域の水供給関連部署や他の開発パートナー、NGOの更なる参画を呼び掛けるためのワークショップ(合計45名が参加)を開催しました。

マラウイの地方農村部では井戸の不稼働率(ハンドポンプの故障などによって使用できない井戸の割合)が全体の約30%にも及んでおり、これが住民の安全な水へのアクセスを阻害する大きな要因となっています。そして、この稼働率の低さの背景には、地域住民の知識・認識不足や、行政によるサポート体制・システムが欠如していることにより、地域住民によって既存の井戸やハンドポンプ(以下、「井戸施設」)の維持管理が適切に行われていないという現状があります。

このような状況に対処するために、「地方給水運営維持管理プロジェクト」では、パイロット県であるムチンジ県において、マラウイ国水開発灌漑省水供給局やムチンジ県調整チーム(水、保健・衛生、コミュニティ開発、M&E、企画部門の県責任者で構成される技術チーム)をカウンターパートとして、地域住民が主体となって彼らの村にある井戸施設を適切に維持管理できるような実践的に強化されたフレームワーク形成に取り組んできました。具体的には、その取り組みを六つのファクターに分け、「住民の井戸施設に対するオーナーシップ意識の向上(ファクター1)」、「ハンドポンプのスペアパーツ供給システム制度の定着化(ファクター2)」、「民間のハンドポンプ修理人制度の定着化(ファクター3)」、「マニュアル・ガイドラインの整備(ファクター4)」、「県レベルのモニンタリング・評価体制の強化(ファクター5)」および「県・地域事務所の人材能力強化(ファクター6)」などに取り組んできており、ムチンジ県での実地試験を経て、ある程度の成果・ノウハウが積み上がってきました。

ただ、JICAのサポートによる「地方給水運営維持管理プロジェクト」は、ムチンジ県におけるパイロット事業を通じて「マラウイ全国に適用できる実践的な井戸施設維持管理フレームワークを構築すること」をプロジェクト目標としており、本プロジェクトの上位目標(実際の全国展開)を達成するためには、プロジェクト終了後(2015年6月)、マラウイ側が独自に、プロジェクトによって構築されたフレームワークをマラウイ全国で実践していく必要があります。そして、マラウイ側が全国展開を推進するためには、まずはムチンジ県以外の各県にも興味を持ってもらい、各県にプロジェクトの成果を「使える」と認識してもらう必要があります。また、マラウイ政府は慢性的な予算不足・人員不足という問題を抱えており、各開発パートナーやNGOから資金面やマンパワーの面でのサポートを得なければ、実質的にマラウイ政府だけで全国展開を実現できないのが実情です。したがってプロジェクト実施期間中から将来的な全国展開を見据えて各関係者を巻き込んでいく(プロジェクト成果を広く「共有」していく)必要があり、これこそが今回ワークショップが開催された理由です。

ワークショップでは、まずプロジェクトのカウンターパートである水開発灌漑省水供給局のプロジェクト担当者及びムチンジ県調整チームの担当者から、プロジェクトの概要・進捗・これまでに生み出された成果・今後の方向性についてプレゼンテーションが実施され、続いて、質疑応答、各ファクター別課題に関するグループワーク、全体ディスカッションが実施されました。

本ワークショップで特に印象的だったのは、カウンターパートである水開発灌漑省やムチンジ県調整チームメンバーによるプレゼンテーションやコメントを通じて、「このプロジェクトは自分達自身が実際に手を動かして実施してきたプロジェクトである」との強い自信と当事者意識が感じられたこと、また、「将来的な全国展開については、自分達自身がイニシアティブを取って進めていくのだ」という強い意気込みが感じられたことです。このようなカウンターパートの自信や主体的な姿勢はプロジェクト成果の将来的な全国展開に向けて必要不可欠なものであり、これまでにJICAの日本人専門家が、カウンターパートとの協働作業を重視するという日本の技術協力の方針の下で、様々な障害にもめげずに時間や労力をかけて辛抱強く彼らと議論を重ね、一緒に手を動かしてプロジェクトを進め、本当に良い成果を生み出してきたからこそ形成されたのだと改めて実感することができました。

以上のようなカウンターパートの自信・意気込みに触発され、ワークショップでの質疑応答、グループワーク、ディスカッションでは、全ての参加者を巻き込み、とても活発な議論がなされました。議論の中で、「このような良い成果が生まれてきているとは知らなかった。全国展開の際には関与したい(Water for People, NGO)」といった意見や、「(プロジェクトによって他県でも活用可能なマテリアルが作成されるため)低コストで他県への普及が可能。一県あたりのコストがこの程度に抑えられるなら我々も資金を提供できるかもしれない(英国国際開発省DFID)」、「全国展開に向けて引き続き是非情報共有してほしい。また、我々にできることがあればすぐにコンタクトしてほしい(UNICEF)」、「プロジェクトで形成されているフレームワークは非常に良い。我が県でも適用できると思われるため、是非全国展開を推進してほしい(M'mbelwa県水事務所)」といった前向きなコメントが数多く出されました。また、水開発灌漑省副局長によると、2014年6月より、アフリカ開発銀行の支援の下、本プロジェクトの成果を4県でロールアウトすることとなっていることも明らかになりました。

「地方給水運営維持管理プロジェクト」はまだ中盤ではありますが、以上のとおり、今回のワークショップによって、将来的な全国展開を実現するための第一歩を踏み出しました。今後の展開に大いに期待です!!