ICTキャリアセミナーで日本からマラウイ人IT技術者がライブ講演、大好評

2013年12月17日

氏名:水越健介
隊次:平成24年度2次隊
職種:コンピュータ技術
配属先:ムズズテクニカルカレッジ
出身県:三重県

去る11月28日、マラウイ南部の商業都市ブランタイヤにあるソチェ技術訓練校で、将来IT技術者を目指す生徒たちを対象にICTキャリアセミナーを開催しました。

本セミナーでは、本年6月に首都リロングウェで開催したセミナーの第2回目として、マラウイの有力企業が集まる商業都市ブランタイヤで開催し、IT分野で活躍する計5名のマラウイ人エンジニアを講師に招き、キャリアに対する考え方、働くことに関するアドバイス、エンジニアに求められる知識や技術についてプレゼンテーションをいただきました。

民間連携ボランティア調査団ご参加者からの協力でマラウイ人IT技術者の講演が実現

当日のハイライトは、日本で働くマラウイ人IT技術者からのSkypeで結んだ映像と音声によるライブ講演で、参加した生徒たちにこれまでにない深い感銘と海外でのキャリアに向けた新たなインセンティブを与え、大好評を博しました。

このマラウイ人IT技術者による講演は、折しも11月初旬に企業活動とボランティア活動との連携強化を目的にマラウイを訪れたJICAの民間連携ボランティア調査団の一員としてご参加された(株)トップスポット(注1)代表取締役 常井孝之様に、今回ボランティアがICTキャリアセミナーを企画していることをご紹介したところ、常井様の知り合いである長澤大輔様が代表取締役を務める(株)Art&Strategy(注2)のIT部門で活躍中のマラウイ人のエンジニア(エイドリアン ザブラ(Adrian Zabula)氏)の出演を提案していただいたことにより実現したものです。

注1:(株)トップスポット http://www.topspot.co.jp
注2:(株)Art&Strategy http://artandstrategy.co.jp/

ICTキャリアセミナーの模様

当日は、本セミナーを企画した私の配属先であるマラウイ北部の都市ムズズの技術訓練校や、会場となった南部のブランタイヤにあるソチェ技術訓練校(こちらもJICAボランティアである、コンピュータ技術 竹野徹隊員の配属先)の生徒のほか、ブランタイヤ地域の2校のIT技術専門校からの生徒も併せ約150名が聴講しました。

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キャリアトークを真剣に聞く生徒

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Skypeを利用したエイドリアン ザブラ(Adrian Zabula)氏によるキャリアトーク

ITエンジニアの講演では、まず、前述のエイドリアン ザブラ(Adrian Zabula)氏から、マラウイの生徒たちに「今のキャリアを選択した理由」、「今の仕事から得られた自分への利益」、「学生へのアドバイス」を説明いただき、海外で学ぶこと、働くことのメリット、さらに生まれに関係なく努力すれば夢は実現可能であると訴えたのに対し、講演後、生徒たちから「努力を継続することで何事も実現可能になることが分かった」「世界で活躍している同じマラウイ人からの言葉は説得力があり、信頼できる。人生の目標(モデル)が出来た」といった意見が寄せられました。

同氏に続いて、開催地のブランタイヤにある著名企業などで活躍中のICTエンジニア、マネージャーの方々4名が登壇し、それぞれの立場から、ICTの知識や技術の重要性、自身のキャリアとキャリア形成の心構え、働くことの難しさと重要性などについてお話を伺いました。

また、本セミナーはテレビマラウイ(MBC)に配属されているJICAボランティア(藤澤隊員)の協力のもと、プレゼンテーション内容、発表者や生徒のインタビューをテレビ収録され、後日放映されました。

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セミナーの模様を収録中

なお、セミナー当日午前中に、企業訪問としてMBCのラジオ放送部門を生徒とともに訪問し、放送制作や伝送技術の説明を受けるとともに、ラジオスタジオを見学し放送現場の臨場感を体験し、生徒の就業意識を掻き立てました。また見学終了後、生徒2名がラジオのインタビューを受け、翌日に全国放送されました。

今後の展開を期待して

今回のICTキャリアセミナーを通じて、前回首都リロングウェでの第1回セミナーにも増して、生徒たちの中にキャリアに関する具体的な目標が生まれ、学ぶことに対するモチベーションが向上したものと思われ、最終的には就職率の向上に繋がることが期待されます。

さらに、Skypeというツールを通して、世界最貧国の1つと言われるマラウイへ、日本からライブ通信セミナーを開催したということで、大きな結果を残したのではないかと考えています。これは、いまや国の経済的状況、地理的状況を問わず遠隔システムの利用(遠隔教育など)が可能であり、途上国、先進国関係なく同一の情報を世界どこでも瞬時に得られることも示すことができたと思います。

今後はJICAボランティアが配属されている各テクニカルカレッジでもキャリアセミナーが開催できるよう、各地域に分かれた小規模なセミナーや企業訪問の定期的な開催を提案していきたいと考えています。そして、可能ならば年に1、2回、複数の教育機関を集めた大規模なジョイントセミナーを計画することで、マラウイにおけるICT人材の育成、ICT分野の成長に貢献していきたいと思います。

(平成24年度2次隊 ムズズテクニカルカレッジ配属 水越健介)