ボランティアレポート「今できることをする」

2014年6月24日

氏名:小野塚未来
隊次:平成24年度2次隊
職種:家畜飼育
配属先:ムチンジ県農業開発事務所
出身県:千葉県

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飼料の指導の様子

日本の酪農業は非常に効率的です。少ない労働力で何十、何百頭のウシを飼養管理しています。それに伴い、牛舎のシステム化や人工授精などの酪農技術が日々向上しています。

これに対し、ここマラウイの村の酪農家一人が所有しているウシの数は多くて2頭です。自宅の隣に自分で木を集めて、ウシ小屋を建て、草を刈り、井戸から水を運び、ウシを育てます。ウシは1日に最低でも50リットルの水、40kgの草を必要とし、これらを彼らはすべて手作業で行わなければなりません。子牛が産まれたら手で搾乳し、片道20〜30kmのガタガタ道を自転車にタンクを載せ、回収所まで運びます。

暑い日には途中で腐ってしまうこともあります。こんな重労働を毎日こなしていても彼らの生活はなかなか豊かになりません。その原因の一つに、酪農に関する基礎的な知識の不足が挙げられると思います。どんな栄養が必要なのか、どのぐらいの量の餌を与えなければならないのか、妊娠期間、発情兆候など、日本ではウシを飼う前に知っていて当たり前なことを彼らは知りません。その結果なのか、この国の乳牛の乳量は平均で一日11リットルです。日本の平均一日30リットルと比べるとその差がわかると思います。

日本の酪農家の人々からは「あり得ない!」と言われてしまうことでしょう。私も最初にこの状況を見た時はそう感じました。農家を訪れると、大きくなったウシを離乳させていなかったり、2年間妊娠させず、ペットのような存在になっていたり。そういった状況を見るたびに、日本と比較して、早く技術を普及していかなければという焦りも感じました。しかし、ここはマラウイです。マラウイにはマラウイに合った技術とペースがあるのです。私たちが考える便利な技術が彼らにとっても便利なものであるとは限らないのだと活動していく間に感じました。

もちろん諦めてはいません。そういった状況を少しでも改善すべく、私は酪農家を巡回し、指導を行っています。写真、模型などを使い、インパクトのある、より記憶に残りやすい指導を心がけています。それに加えて、ミルクを飲むことの利点やミルクを使った料理を紹介しています。

私が行っていることは日本の酪農家なら誰でもできるようなことばかりです。それでも、いつかミルクがマラウイの人々にとってもっとポピュラーなものになるように、そしてそれが彼らの生活の豊かさにつながるように、私が今できることをマラウイのペースで続けていこうと思います。

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ミルク回収所で掲示物を読む酪農家