ボランティアレポート「やってみよう!−身近なもので好奇心を育てる」

2014年10月7日

名前:山田 仁朗
隊次:平成24年度3次隊
職種:理数科教師
配属先:ビリラ中等学校
出身県:京都府

新しいものに触れた際の「ふしぎ」「なぜだろう」と思う気持ち。科学はこの「なぜ」から始まります。私たち理数科教師は実験や授業を通じて、「なぜ」と思う気持ちや、その「なぜ」を説明・理解する論理的思考力、そして科学を楽しむ心を育てようと活動しています。しかし現状として、マラウイには実験器具が満足に無い学校が多く、そのような学校では実験がほとんど行われず、結果として理科は板書を書き写すだけの暗記科目になりがちです。

その状況下でも、子ども達の「なぜだろう」と感じる好奇心、科学を楽しむ心を育てたい。そんな思いから、2011年、理数科教師隊員を中心にサイエンスキャラバン"PICO factory"が立ち上げられました。4年目となる今年も、8月の学期休みの期間にマラウイ国内全15箇所、計3000人以上の人々に向けてサイエンスショーの公演を行いました。

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大盛り上がりの実験
「卵の上に立つ」

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公演後に実験を詳しく解説

キーワードは「やってみよう」。子どもが楽しめるように、ショーは単なる実験演示ではなく、役者が面白おかしい劇形式で様々な実験を披露し、それから「ドクター・ピコ」が原理を簡単に解説するという形で進行します。子どもと一緒に行う実験や、クイズを出して子ども達に考えさせる実験もありました。実験に使う材料は、水、塩、卵、小麦粉、バケツ等、家庭にあるものばかり。これは、家に帰ってからも自分たちで実験をやってみてほしいという思いからです。「卵の上に立つ」等、身近なものの意外な性質に子ども達は驚き、大歓声があがりました。

公演終了後には、小中学校の先生に向けて、実験の詳しい説明を行うとともに、補助教材として役立ててもらうために実験内容をまとめた冊子を先生に配りました。中には、よほど興味を持ったのか、先生向けの説明なのに熱心に聞く子どもの姿もありました。隊員の力だけでは一度しか実験を見せられませんが、現地の先生であれば、公演を見に来なかった子どもも含め、何回でも実験を再現させることができます。

「教育」の本質は「育」てることにあると私は思います。学びのベースになる好奇心は教えて身につくものではありませんが、身近なものからでも必ず育てることができます。PICOはチェワ語(マラウイの現地語)で「羽根」を意味する"phiko"に由来します。先輩隊員から受け継がれてきたこのPICO factoryと、さらにそれを見たマラウイ人の先生たちによる実験が、好奇心を育てる一助になること、そして子ども達が輝かしい未来に羽ばたくphikoになること。それが私たちの願いです。