OJTレポート「第4回Proposed-Based OJT」

2014年10月10日

OJT最後の3週間は、自分自身で計画を立てて活動する、Proposed-Based OJTです。私は、マラウイを含む南部アフリカ諸国を所掌する課に所属していますので、南部アフリカ地域の中でのマラウイの位置づけを理解すべく、モザンビークや南アフリカといった周辺諸国とマラウイとをつなぐ回廊周辺地域を出張で訪れることにしました。もう一つの計画は、かねてから関心事であった土地問題について調査するため、世界銀行が2012年まで支援していたKudzigulira Maloというプロジェクトサイトへ見学に行ってきました。

回廊関連では、マラウイを南北に縦断してモザンビークのセナ港へ抜けるセナ回廊、モザンビークのナカラ港からマラウイを東西に通過しザンビアへ至るナカラ回廊、の2つの回廊に関連するインフラ施設を訪問しました。こうしたインフラ施設は、事前に政策的な位置づけや重要性をしっかり頭にいれておかないと、訪ずれても十分理解できない部分が出ると感じました。今回の回廊視察では、事務所の担当者やナショナルスタッフにも手伝ってもらい計画を立てましたが、「マラウイ開発成長戦略」など、重要な政策にはより丁寧に目を通しておくべきでありました。相手国政府の政策、そこで言及される地域・現場の様子、そしてJICAとして関わり方の3点をリンクする視点を持ちたいものです。

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マラウイ最南端に位置するンサンジェ内陸港
Lower Shireと呼ばれる一帯で、大変暑いです!

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マンゴチ県ナンクンバ村にて
Kudzigulira Maloを通じて南部Thyolo県(特に土地不足が深刻な地域の一つ)から移住してきた人々へのヒアリング

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筆者プレゼンテーション

Kudzigulira Maloは、土地を追われた住民を別の県の伝統的首長(Traditional Chief)が受け入れるという一種の移住プロジェクトで、世銀の支援によって2004年から2012年にかけて実施されました。受入県のLand Office職員や、受入村の伝統的首長、プロジェクトを通じ定住した村人への訪問と聞き取りを通じて、(1)住民が土地を追われた背景(土地不足による紛争や企業の進出)、(2)現在の村では元々そこに住んでいた住民とほぼ変わらない耕作地や住環境を得ることができていること、(3)他方で首長との関係構築がうまく行っていないグループが存在し、そこでは村からの諸々の支援が受けられない等で経済的に困窮していること、(4)移住時から家族数が20以上増加するほど人口増加が著しく、当初十分であった土地が現在では次第に不足するようになっていること、(5)プロジェクト期間中は1家族あたり100ドル程度の財政援助がなされていたが、プロジェクト終了とともに援助も終わってしまった為、畑の耕作に必要な不定期労働者を雇用できなくなるなど経済的な苦境に追い込まれている家族もあることなどが分かりました。

世銀のプロジェクト終了後に住民が最低限度の生活を送れるのかという持続性の観点を持つことの重要性を知るとともに、人口増加の問題は農業分野や土地問題に限らずその他のセクターにも影響を及ぼす重大な問題だと実感しました。例えば、人口増加によって土地の開拓が進めば、森林保全などはますます困難になり、子供の数が増えれば学校の新設や増設の必要性が生じます。一人が持つ土地が矮小化すれば、所得も限定的になります。人口増加は、マラウイでの開発課題の根底に横たわっているものと理解しました。

9月25日の午後、これまでの3ヵ月間の総括を事務所スタッフに対して英語でプレゼンテーションし、マラウイOJTは幕を閉じました。あっという間で楽しいOJTではありましたが、時には残念に思うこと、悔しい経験もありました。日本帰国後は、マラウイで五感を通じて経験したことをイメージし、本部からできることを精一杯やっていきたいと思います。

これまでお読みくださってありがとうございました。最後に、マラウイ滞在中にお世話になった皆さんに、改めて御礼を申し上げます。(OJTレポート完)

【お知らせ!】
※今回のマラウイOJTで体験したマラウイの様々な風景は、JICA・アフリカひろばのfacebookページでも順次公開されます。マラウイの知られざる一面を肩肘張らずに写真と短文で紹介する予定ですので、是非こちらもご覧ください!