鉱物資源開発への貢献、鉱業分野能力向上プロジェクトに期待有り

2015年6月19日

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地化学調査における河川砂の採取と技術指導

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地化学調査の位置(赤丸部) JICAプロジェクトでGIS化したマラウイの地質図

本プロジェクトはマラウイ国鉱業分野の人材育成を通じて、鉱業セクターの持続可能な開発に寄与することを目的として2014年8月に始まりました。現在2年目(最終年次)の現地業務を実施しているところであり、プロジェクトは2016年3月に完了する計画です。現地活動は(1)地化学調査(2)GISデータベース統合(3)ASM(小規模採掘業者)調査からなり、これとは別に日本での長期研修を実施中です。

現地活動の最も大きなウェイトを占めるのは地化学調査です。地化学調査とは、地質や地形を考慮した上で、地表の土壌、河川砂や岩石などを計画的に採取して、化学分析を行うことで、調査地区の鉱物資源ポテンシャルを評価するための基礎的な資料を作成することです。本プロジェクトでは、マラウイ全土から鉱物資源の存在が期待される11ヵ所のモデル地域を選んで、約5平方キロメートルに1個の密度で合計1千個の河川砂を採取する計画です。2014年には9月から11月にかけて地質調査局のカウンターパートと協働で野外調査を実施、約300個の試料を採取し化学分析を行いました。その結果、鉱物資源的に興味深い結果が得られています。2015年は5月から9月まで2〜3班体制で現地調査を実施します。地化学調査の現地作業およびデータ解析はOJTによる技術移転となっており、カウンターパートの能力強化に直結しています。

ASM調査では、マラウイ北部に位置する5つの石炭鉱山(坑内または露天採掘)を訪問して、鉱山保安や環境についての視察を実施しました。今後は、既存資料等をレビューし、視察結果に基づいて、持続可能で安全かつ健康面に配慮する鉱業開発が実施されるような改善策や提言などをとりまとめます。また、2016年1月には最終の現地派遣を行い、本プロジェクトで作成されたGISデータベースを既存のGISデータベース(過年度のJICAプロジェクトで構築)に統合します。同時に、技術移転セミナーおよび成果報告会を開催する計画です。

本プロジェクトによる技術移転と能力強化によって、今後はマラウイのカウンターパート機関が自らの手で地化学調査を継続していくことで、マラウイ全土の地化学データが整備されることが期待されます。また、本プロジェクトで得られた地化学調査結果が新たな鉱物資源探査プロジェクトに発展する可能性もあり、最終の調査結果が注目されています。そして、それらの調査結果が、鉱業セクターへの投資促進(鉱物資源探査の活発化、鉱山開発)ひいては国の経済成長を牽引していくものと確信しています。

(鉱業分野能力向上プロジェクト 小沼 工(住鉱資源開発株式会社))