ボランティアレポート「不可能を可能に!−100人規模のクラスで先生たちとより良い授業を模索する日々−」

2015年7月13日

名前:長根尾 和子
隊次:平成26年度2次隊
職種:青少年活動
配属先:バラカ教師研修センター
出身地:石川県

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タマラさんによる服作りの研修中

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研修で学んだことを模擬授業中

「国が違っても授業の上手な先生はテンポが良く、100人規模のクラスを上手にコントロールしている!」それが授業を参観させてもらって最初の印象でした。赴任して最初の5ヵ月間は毎日地区内の巡回校に通いました。マラウイの教育現場を「知ること」「学ぶこと」から始めようと心に留めていたからです。その中で気になったのは、私の担当教科であるエクスプレッシブアーツ(注)が「教材不足」と教員の「知識不足」により、頻繁に他の教科にすり替わっている、授業が行われていてもそれは往々にして説明のみの授業に留まっていることでした。

先生方の授業を参観させてもらう中で意識し始めたことは、「お互いの優れている点を活かした授業の質向上のあり方を模索していきたい」ということです。自分自身も日本の教育現場を経験させてもらい、数多くの研修を通して指導主事の先生や先輩教員からたくさんのノウハウを教えてもらいました。この経験は私にとっての財産です。「国が違っても、授業の質改善に向けた取り組みという点では共通している。あるべき授業が児童に届くよう、解決策を推進教員の先生たちと一緒に考え、他の先生たちに提案していけるような研修プログラムが企画できたら」と構想が具体化してきました。赴任後8ヵ月目、計11回の半年間に及ぶ推進教員研修プログラムを提案し、カウンターパート(以下CP)とともに5月よりプログラムをスタートさせました。

巡回校の中で最も敬遠されている単元が衣装作りです。「教員のスキル不足」と「教材不足」がその原因です。まずはスキルを身につけるべく、裁縫のプロ職人であるタマラさんを講師として招請し、服の作り方を教員に指導してもらいました。その後、学校現場で衣装作りの授業を実践してもらいました。「教材不足」の問題については、授業実施者と校長と相談の結果、各児童から20クワチャ(約5円)を集金し、材料の購入資金に充てることで解決しました。授業で垣間見られた児童の積極的な授業態度と完成したときの笑顔は最高でした。

教育現場の課題は尽きません。100人越えのクラスも教材不足もすぐには改善されないでしょう。でも、ここには的確なアドバイスを与えてくれる心強いCPと協力してくれる先生たちがいます。彼らとともに、周りから「不可能」として諦められていることに挑戦し、あるべき授業を児童に届けられるよう模索し続けたいと思います。

(注)音楽・体育・ダンス・図工・裁縫・ドラマの要素を含む1つの確立した教科である。