ボランティアレポート「代用品を使って品質管理」

2015年8月19日

名前:寺崎 一生
隊次:平成25年度3次隊
職種:品質管理
配属先:一村一品(OVOP)事務局
出身地:佐賀県

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廃品で作った計測用容器

私は昨年の2月からマラウイの産業・貿易省にあるOVOP事務局に配属されている。OVOPとはOne Village One Productの略で、大分県で始まった一村一品運動をモデルとした農村地域の所得向上活動である。私はそこで品質の向上に関する活動をしている。

国際標準規格ISOでは、品質とは「本来備わっている特性の集まりが要求事項をみたす程度」と定義されている。つまり、品質管理とは製品が思ったとおりに作れているかをチェックすることである。しかし、グループ訪問して驚くのは、日本の農産物加工所では当然持っている秤のような器具さえ持っていないことだ。買うお金もなく、そもそも地方では売っていない。持っていても壊したり、失くしたり、盗まれたり、上手く管理できない。問題を指摘しても、「道具がないから出来ない。でも、お金はない。必要なら買ってくれ。」ばかりで、自分たちの問題として向き合おうとしない。そこで、自分たちで問題解決する習慣をつけてもらうために、身近にあるものを代用したり、安価な道具を使用するように提案している。

例えば、ハチミツでは同じ容器を使っても、500g、600gなど容量表示が異なり、実際の量も異なっていた。そこで秤がなくても必要な量を入れられるように、容器のどの高さまで入れれば何グラムなのか分かる見本を作った。副次的効果として、容器やラベルの容量表示がOVOPグループ間で統一可能となり、OVOPとしての最低限の標準化が図りやすくなった。容器もまとめて発注できるようになり、コスト削減にもつながった。

現在の取り組みの1つは、フルーツワインのアルコール管理で、アルコールを測定する器具がない中で、どうやってグループがアルコールを自分たちでコントロールしていくかが課題である。アルコール発酵は糖分がエタノールと二酸化炭素になる化学反応なので、理論的には糖度の変化でアルコール度数が推定できる。そこで比較的安価に入手できる糖度計を使って、グループがアルコールをコントロールできるようにならないか試している。

もっとも、糖度が測れても、アルコール管理ができる訳ではないが、使用した砂糖の量や糖度の変化を記録するなどグループによっては小さな化学反応が起こり始めている。

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糖度計によるアルコール推定