マラウイ一村一品運動におけるマーケティング活動支援のインターンシップを終えて

2014年2月3日

JICAは、日本の大分県の一村一品運動を参考に2003年に国家事業として始まったマラウイの一村一品運動を、2005年から支援しています。首都・リロングウェにある産業貿易省下の一村一品運動事務局では現在、マラウイ人職員の他に、JICA専門家二名とデザイン専門の青年海外協力隊員一名が勤務しています。私は、JICAのインターンとして2013年9月初めから12月上旬までの3か月間その事務局に勤務し、マラウイの一村一品運動に携わりました。今回は私がインターンシップ中の活動を紹介したいと思います。

私は主に下記四つの分野の業務を行いました。
・短期専門家現地活動支援
・イベント準備・運営支援
・アンテナショップ運営及び新規販路開拓支援
・一村一品グループ比較研究

マラウイに来て最初の1か月は、一村一品運動の業績改善のためにいらしていた短期専門家の現地活動を、一村一品運動の現状分析のお手伝いやインタビューの議事録作成を通して支援しました。この業務を通じて、マラウイの一村一品運動の仕組みや現状を理解すると共に、インターンシップの早い段階でこの事業の全体像を把握することができ、その後の活動に大変役立ったと思います。10月と11月には北部の都市ムズズと首都リロングウェでの一村一品フェアや他団体主催のバザー等イベントが続き、私は、会場確保、招待状作成やポスター掲載、販売活動などでイベントの準備と運営をサポートしました。また、商品の包装作業や、在マラウイ日本国大使館での販促活動、そしてイギリスでの販促活動をサポートし、アンテナショップ運営及び新規販路開拓に貢献し、マラウイの一村一品商品の売上向上を支援しました。

2013年はマラウイの一村一品運動の十周年にあたり、フェーズ2に入ったJICAの5年間の技術支援プロジェクト「一村一品グループ支援に向けた一村一品運動実施能力強化プロジェクト」にとっては折り返し地点です。インターンシップ期間中にJICA本部とカウンターパートによるプロジェクトの中間レビュー評価が行われ、産業貿易省の役人をはじめとする様々な関係者が集まる最終報告会に参加することもできました。

そして、これまで大学や大学院で身に着けた専門性と数か月のインターンシップでの経験を活かし、二つの食用油生産者グループの比較研究に取り組みました。

研究対象としたのは中部・ムチンジ県のカムウェンド・クッキングオイル協同組合とティラセンベ・クッキングオイル協同組合。私はこの二つのグループをインタビュー調査しました。どちらのグループも継続的に食用油を生産・販売しており、約150あるマラウイの一村一品グループの中でも成功しているグループです。しかし、両者には大きな違いがいくつかあります。

カムウェンド・クッキングオイル協同組合は、マラウイの一村一品グループの中で唯一、マラウイ標準局(Malawi Bureau of Standards)の認証を受けており、2012年には特に優良な団体に授与される「平松賞」を受賞するなど、マラウイでは一番の一村一品グループとして認識されており、国内の主要スーパーマーケットでの継続的な販売を目指しています。

一方、ティラセンベ・クッキングオイル協同組合は品質管理の認証はまだ受けていないものの、地元の個人商人への販売等で売り上げを伸ばすだけでなく、既存の落花生の殻剥き機を使用して地元の人々が持ち込む落花生の殻剥きをして機械使用料を取り、独自の方法で利益を上げています。また、コミュニティ開発を意識して、地元の人々を従業員として雇い、コミュニティでの雇用創出に貢献しているのも特徴的です。

マラウイの一村一品グループには多様な在り方があると思います。国の品質管理機関の認証を受け、主要なスーパーマーケットでの販売を展開していくのが模範的ではあるかもしれませんが、一村一品グループの中でも似たような商品を生産するグループがあり、また、周辺国からの安価な商品の流入により競争が激化している中で、最低限の品質は守りつつ包装は簡易化して、地元で手頃な価格で販売を展開したり、独自の工夫で一村一品商品の販売以外で利益を上げたりするグループがあってもよいのではないでしょうか。ティラセンベ・クッキングオイル協同組合も品質管理の認証取得を目指していますが、現在のこの協同組合の在り方はこれから発展していく他のグループにとって良い参考になるかもしれません。

私は4月から一般企業でコンサルタントとして働きます。しばらく開発の現場を離れることになりますが、今回のインターンシップを通じて学んだインタビューや分析の方法を活かして、そして、小規模ビジネスの手法を学んだことにより身についた新しい視点を大切にして、クライアントの立場に立って様々な経営課題を丁寧に理解し、解決できるコンサルタントになりたいと思います。将来、プロフェッショナルとしてアフリカ開発の現場に戻り、活躍できる人材になれるように頑張ります。

(JICAマラウイ事務所インターン・岡村亜也子)

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ティラセンベ・クッキングオイル協同組合

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ティラセンベ・クッキングオイル工場