ボランティアレポート「海を越えた壁画、遂に完成!」

2016年5月2日

氏名:冨高 由紀子
隊次:平成26年度1次隊
職種:青少年活動
配属先:ミトゥンドゥ教員研修センター
出身地:東京都

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真剣に作業に取り組む児童たち

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スカイプを使って日本の児童と交流する様子

私はマラウイ共和国の中部にあるミトゥンドゥ村の教員研修センター及びその管轄内の小学校で、'Expressive Arts'(表現芸術)という体育・音楽・図工・家庭科・ダンス・ドラマ・詩などが1つに統合された科目の巡回指導を行っています。2015年、私の活動拠点であるミトゥンドゥ小学校の児童とともに、アートマイル国際交流壁画共同制作プロジェクト(以下アートマイル)に参加しました。アートマイルとは、日本のNPO団体が主催しているもので、日本と海外の学校が壁画を共同制作することを最終目的としながら、制作過程においてインターネットを使って交流し、共通のテーマで協働学習した後に半分ずつ絵を描いて1枚の壁画を完成させるという、約6か月間の継続した学習プログラムです。外務省及び文部科学省も後援しており、これまでに57の国と地域から、862校28,822名の児童・生徒・学生が参加しています。配属先の合意が得られ、また子供たちの学習にも効果的であると考えたことから応募したところ、幸運にも選考を通り、マラウイから初めてアートマイルに参加できることになりました。全校児童35,000人程の学校で参加学年と人数を絞り込むことから始め、言葉の壁を乗り越えるために現地教員の協力者を募りました。そして7年生(日本では中学1年生に相当)の児童20名と現地教員1名の参加が確定し、いよいよプロジェクトがスタートしました。

プロジェクト開始後は、オンライン上の専用フォーラムを通して、パートナー校の日本の小学生とお互いの国を紹介し合い交流を深め、制作壁画のテーマ及び構図について話し合いを行いました。時にはスカイプで実際に相手の顔を見ながら話もしました。インターネットに触れることや、ましてや海外の子供たちと話をする機会はほとんどないマラウイの児童たちは、普段とは違った、緊張と興奮の入り混じった表情をしていました。お互いの理解を深めた後、日本側から制作を開始し、日本側の制作分完了後、キャンバスがマラウイへ送られてきました。絵の具で描かれた、「絵画作品」としての大きな絵は多くの子供たちにとっては初めて目にするものだったようで、描かれているモノの細部や、色合いなどをまじまじと眺めていました。「この動物/鳥/魚/虫は何?」「これはマラウイと同じだね!」など、質問や感想を多く耳にしました。マラウイの学校の活動を通して、個人の感情を授業内で表現することが少ないと感じていたので、子供たちが興味関心・疑問を持って私に自然に質問してきたことは大変意義深く、情操を育てるという点では、この点だけでもアートマイルに参加した意味があったのではないかと感じました。

正直なところ、壁画完成までの作業は決して楽なものではありませんでした。活動を予定していた日が急に休校になる、時間割が変更になる、生徒がクラスの掃除当番で来ない、教会に行かなくてはいけない、家の手伝いがある、お腹がすいたから帰る等々、理由を挙げたらきりがないほど想定外のことが起こり、結果、とても長い道のりでした。壁画が完成した今振り返ってみると、どれもマラウイではよくあることなのですが、日本側のパートナー校と様々なやり取りをしないといけないという責任感や、期日までに壁画が本当に完成するのかなどといった不安から、日々ヒヤヒヤしていました。それでも完成した作品は、日本とマラウイのそれぞれの特徴がよく表現された素敵なものに仕上がり、子供たちの素直な表現力に感動しました。

この壁画制作を通して、児童が様々なことを考察しながら描く機会を得ることが出来たのではないかと思います。また、日本の児童との交流により、自国マラウイの文化をより深く理解すると同時に、他国への関心や興味を持つきっかけを得られたと思います。
そして何よりも、他者と協力して物事を進める難しさや楽しさ、喜びを体験するという経験が、今後社会を担う子供たちの心の成長に繋がればいいなと思います。

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完成した壁画と児童たち

*アートマイルにご関心のある方は下記ウェブサイトをご覧ください: