SMASSEが第7回地方研修を実施

2017年3月14日

2016年12月19日〜23日の5日間、全国に19か所ある研修センター(中等学校の校舎や寄宿舎を利用しています)にて中等理数科教育強化プロジェクト(SMASSE)の地方教員研修が実施され、全国の中等学校で理数科目を教える約2,900人の教員が参加しました。この研修では、それに先立つ10月に行われた中央研修を受講した教員たちが、今度は地方講師として、中央研修と同じ内容を全国すべての理数科教員に伝えました。

今回の研修からは、寄宿舎等の環境が劣悪だったために閉鎖されていたムワンザ研修センターが、状況の改善により5年振りに使えるようになりました。これまでは研修を受講するために、はるばるブランタイアまで行かなければならなかった教員たちが、より近いこのムワンザにて受講できるようになったわけです。同センターの参加者数は約40名と少なかったものの、施設の状況には特別大きな苦情も出ず、熱心にアクティビティに参加している様子で、ひとまず実施は成功したと言えるでしょう。

ところで、2013年に開始した本プロジェクトのフェーズ3になって、教員研修の内容に新たに導入されたことが2つあります。一つは事前事後テスト。教科内容セッションの前後に小テストを行って、受講者の知識の変化を測定しています。これを実施している地方講師たちはデータの処理に苦労している様子でしたが、テスト自体は整然と行われ、参加教員とともに試験結果の振り返りを行う講師もおり、この試みはしっかりと定着している様子でした。また、すべての科目で点数の上昇が見られ(特に物理科学の伸びが大きい)、教員たちが研修を経て多くの知識を獲得していることが確認されました。

もう一つ、フェーズ3で導入されたのは、アクションリサーチの成果を取り入れること。例を挙げると、介入対象校で撮影した授業のビデオを教材に使って参加者間で議論する(生物)、教員が作成した実際の指導案(数学)や定期試験問題(物理科学)のサンプルを題材にして議論する、専門家の現場観察に基づいた提案として、板書案のサンプルを検討する(物理科学)、生徒や教員の誤りやすい事項に注目し誤答の実例を分析する(数学)、効果的なグループワークの考察(生物でのアクションリサーチの研究テーマ)、等々、いろいろな要素が研修内容の充実に利用されています。何と言っても、現場での実例に基づいた材料なので、マラウイの教室の事情に適合した、より実用的な内容になっているということが大きな改善点です。

一方で、一つ残念だったのは、全国的な水不足が原因で、断水により日程を短縮して研修を実施しなければならなかったセンターが幾つかあったこと。インフラの整備されていないアフリカの国だからこそ直面する問題も多いのです。

しかし研修の内容は充実しており、参加教員は、5日間ないしそれ以下という限られた日数の中で、それぞれに多くを学びました。この成果は何よりも、研修実施に関わる全ての関係者、すなわち参加教員、講師はもとより、研修運営に携わっているセンター校校長や教員を送り出している学校の校長、監督している視学官といった多くの人々の熱意あってこそのものであると、プロジェクト専門家は彼らの目を見て確信しています。

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生物セッションの様子(栄養素の検出、バラカ中等学校)

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物理科学セッションの様子(原子核の崩壊について説明するトゥングワ講師、バラカ中等学校)

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物理科学の事後テストの様子(デッザ中等学校)