マラウイSMASSEプロジェクト アクションリサーチ最終発表会を開催

2017年7月5日

2017年6月20日〜22日の3日間にわたり、マラウイの首都リロングウェにて、中等理数科教育強化プロジェクト(SMASSE)はアクションリサーチ最終発表会を開催しました。2013年8月に開始したマラウイSMASSE フェーズ3は、4年間の活動を経て、2017年8月で終了を迎えます。今回の発表会は、その総括であるとも言えます。

会場には、発表者である教育省教師教育開発局所属のSMASSE中央講師やマラウイ大学チャンセラー校、ムズズ大学等の大学院生・教官に加え、教育省の関連部局、国家試験を管轄する教育機関等の関係者、全国の各教育管区の教育長や視学官、中等学校教員など総勢約80名が集まりました。

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総勢約80名の教育関係者が集まった会場

フェーズ3の主軸となる活動の一つは、SMASSEが教師教育で促進してきた中心理念「ASEI/PDSI(注)」の現場実践を巡るアクションリサーチです。アクションリサーチとは、研究者が実際の状況の中で対象に直接働きかけてその変化を追いながら状況改善を目指していく研究手法です。マラウイSMASSEでは、教育省教師教育開発局や大学からの研究者が中等学校教員に働きかけながら、「ASEI/PDSI」に基づき、教室現場の文脈に沿った効果的な教科指導法を対象教員と共に探究してきました。

3日間のプログラムは、アクションリサーチのご指導をいただいている広島大学大学院国際協力研究科の清水欽也教授による基調講演に始まり、続いて19件の研究成果報告や参加者全体でのディスカッションが行われました。各研究は、マラウイの理数科教育における「ASEI/PDSI」、特に核となる「生徒中心(Student-Centredness)」の実践を共通のテーマとしながらも、教師の認識や行動の変化を捉えたもの、グループワークなど特定の教授法の導入のコツや効果を検討したもの、教員が協働する取り組みの効果を検討したものなど、焦点を当てた課題やアプローチは異なり、多様な知見が集まりました。それぞれの研究が、マラウイの学校現場の教師や生徒に密着した調査や、教師との授業計画・実践・省察等の継続的な取り組みに基づいており、具体的な状況や課題を反映した現実味のある議論内容となりました。

(注)ASEI(Activity, Student-centredness, Experiment/Experimentation, Improvisation)は生徒中心の授業のあり方、PDSI(Plan Do See Improve)は「計画・実践・評価・改善」で、教師の仕事の仕方を表す標語

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広島大学の清水欽也教授の基調講演

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研究成果を発表するSMASSEカウンターパートのムスクワ中央講師

このように、マラウイ理数科教育の発展を担う様々な関係者が一堂に会する場において研究成果が共有されたことに加え、示された知見や課題をもとに、参加者全体で今後の活動の具体案を議論できたことも大きな意義があったといえます。

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会場全体でのディスカッションでは、現場教員から教育省職員まで幅広い参加者が意見交換

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会場全体でのディスカッションでは、現場教員から教育省職員まで幅広い参加者が意見交換

閉会式では、「話し合いだけで終わらずに、実際の行動につなげていくことこそが大切である」ということが、SMASSE徳丸チーフアドバイザーや中西部教育管区のシネタ教育長によって強調されました。プロジェクトによる日本の支援はまもなく終了します。この発表会が本当に意義のあるものとなるか否かは、マラウイ人の今後の活動にかかっています。

なお、この研究成果は、今後の現職教員研修の教材作成や、新規教員養成課程のカリキュラム改訂にも反映される予定です。また、論文としてまとめられた研究成果は近隣諸国へも共有されます。途上国における教育現場の状況に根ざした優良事例を広く普及することによってアフリカの理数科授業向上に寄与することを、マラウイSMASSEプロジェクトは見据えています。