ボランティアレポート「ネリカ米研修 外を見て内を知る」

2017年11月28日

名前:豊田 萌
隊次:2016年度3次隊
職種:コミュニティ開発
配属先:ムジンバ県北部農業開発事務所
出身地:愛知県

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日本人も同僚も、水田作りに初めて挑戦!

私は2017年1月からマラウイ北部に位置するムジンバ県にある、県農業開発事務所に配属されています。ムジンバ県は国内最大の面積をもつため、事務所を南北に分け、私の配属先は県北部(12万世帯)を管轄しています。同事務所には管轄する9つの農業普及所(EPA)があり、主食メイズ(トウモロコシ)をはじめとする作物の収穫量の管理や病害虫対策、EPAと共に農家さんへの農業技術指導、栄養改善の啓蒙・普及活動などを行なっています。

当配属先の課題は、メイズの代替作物を広範囲に早く普及させること。メイズ収穫時期でさえ穀物自給率が100%を切り、収穫期直前のハンガーシーズンでは自宅の食糧貯蔵庫が底をつき、農民の多くが常に飢えと向き合っている状況です。メイズ収穫量を補う穀物として稲作を導入してはどうかと思い、穀物生産管理を担当している同僚を誘い、ウガンダで行われたネリカ米(注1)研修に参加させていただきました。

水が豊富ではないムジンバ県で稲作が受け入れられるか不安でしたが、穀物生産管理の専門家である同僚は当地での陸稲栽培の可能性を見出したようで、「ムジンバ県の農業に革命を!」と意気込み、さっそく当配属先管轄の敷地や農業試験場にて栽培実験を始めるところです。

この度ウガンダに出かけることは、私にとって任国マラウイを客観視する初めての機会となり、滞在1週間の中でいくつか感じることがありました。

まずは、ウガンダの主食の種類の多さに驚きます。マトケ(バナナ)、ポショ(メイズ)、キャッサバ、ジャガイモ、さつまいも、かぼちゃ。マラウイにはポショ(マラウイではシマと呼ぶ)一択(注2)なので、メイズの収穫量に当国の食糧事情がかかっています。複数の選択肢があることは、食事のバリエーションに富むというメリットだけではなく、メイズ収穫難を補える利点が強いと考えられます。この点は同僚も刺激を受けている様子でした。

そして何より嬉しい気づきは、他国から見たマラウイ人の気質。ほぼ赤道直下のウガンダの日差しはとても強く、屋外実習ではドロドロ、汗だくになり、弱音の一つ二つ吐きたい環境でありながらも、貪欲に研修に挑む同僚の姿に感激をしました。周りの参加者を鼓舞したり、講師の意図を素早く察したりと、コミュニケーション能力の高さはさすがです。積極的に学ぶ姿勢が強く、空気を読むマラウイ人を見て、他国からの参加ボランティアからもその気質を羨ましがられたほどでした。改めて、私の活動において良き理解者である配属先パートナーに巡り会えたことに感謝しています。

外を見て、内を知る。マラウイの素敵なところも、よりよくできるところも、多くを知る機会となりました。本研修に共に参加をした、同県内チカンガワEPA配属の同期隊員とも協力をしながら、ムジンバ県の農業に革命を起こしてみたいです。

(注1)ネリカ米…New Rice for Africaの略。高収量のアジア稲と病気・雑草に強いアフリカ稲の交配によって開発された稲。水田を設けず、陸稲栽培が可能。

(注2)コメやチプシ(フライドポテト)もあるが農村部にはあまり一般的ではない。

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ネリカ米の種まきを体験する同僚

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ネリカ米の栽培を農家グループに提案している同僚