ボランティアレポート「村落部でのビジネス支援」

2018年5月18日

名前:清水 良介
隊次:2016年度1次隊
職種:コミュニティ開発
配属先:ムチンジ県コミュニティ開発事務所
出身地:三重県桑名市

私は2016年7月からマラウイ中部に位置するムチンジ県に、コミュニティ開発隊員として派遣されています。2年間の任期も残すところあとわずかとなりました。活動としては、配属先の優先課題の一つである住民の生計向上支援のため、村のグループを巡回し、貯蓄や小規模ビジネスに掛かるアドバイスや提案をしています。

巡回グループの一つに、村でスコーンと呼ばれるパンを生産販売しているグループがあります。このグループの課題は利益率の改善です。パンの価格は他の店の価格と比較し決められたもので、生産コストの計算は行われておらず、作っても作っても利益が出ていない状況でした。

初めは帳簿の付け方や、コスト計算の方法を学ぶワークショップを開催していましたが、グループのメンバーの中には、字の読み書きや簡単な計算ができない人も多くいます。そのため内容を理解している人はあまり多くない様子でした。またパンの大きさを小さくして、一つ当たりの生産コストを下げることを提案しましたが、この大きさでは村の人たちが買ってくれないと乗り気ではありませんでした。次に、玉ねぎとトマトでソースを作り、ピザトーストのような形にして付加価値をつけて売ることに挑戦しました。しかし村の人たちはピザを知りません。またパンは、紅茶に粉ミルクと砂糖をたっぷり入れたミルクティーに浸して食べることが人気で、ピザトーストは受け入れられませんでした。その他にも、村で手に入るソーセージツリーやモリンガの粉を練りこんだ、栄養価の高いパン作りのデモンストレーションを行いましたが、値段を上げるのなら普通のパンのほうがいいと販売には至りませんでした。

ムチンジ県では、多くのNGOや政府機関による生計向上支援プロジェクトが行われています。その多くは数日間のトレーニングが行われた後、小規模ビジネスを始めるための初期投資資金や機械が提供されるものです。その後のモニタリングや監査は十分ではなく、年に数回、レポートの提出を配属先のオフィサーに依頼するのみです。一方で青年海外協力隊は、2年間地域に入り込み、まるでグループの一員のように活動を共にしています。ビジネスの経験や知識がなく、また情報も手に入りにくい彼らにとって、課題を自ら解決することは容易ではなく、途中で挫折してしまうグループも多くあります。そのため事業の継続性を考えた時、数日間のトレーニングや資金提供だけではなく、活動を通し出てきた課題を、グループと一緒に解決していくプロセスがより重要であると感じています。

先日グループに行くと、これまで自発的に行われていなかったコスト計算を自ら行い、利益率を上げるためにはどうすればいいかという話し合いが行われていました。まだ具体的な改善策は出ていませんが、彼ら自身が問題を認識し、自ら考え始めたことは、非常に大きな一歩だと感じています。

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コスト計算ワークショップの様子

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トマトソースを乗せたパンを試食している様子