ボランティアレポート「実験、実験、そして実験…」

2018年8月6日

名前:竹本 大起
隊次:2017年度2次隊
職種:理科教育
配属先:リスンビュイ中高等学校
出身地:埼玉県川口市

私の任地であるモンキーベイはマラウイ湖の南端に位置しており、付近一帯の国立公園は世界自然遺産にも指定されています。マラウイ湖までは歩いていける距離にあり、湖と山が織りなす豊かな自然と、人情味にあふれる地域の人々に囲まれて生活しています。モンキーベイは標高の低い湖畔にあるため、夏になるとうだるような暑さが毎日続きます。

私は勤務校以外にも近隣校5校を巡回し、出張実験と授業のサポートを行っています。巡回して気づくことは学校間の格差が大きいことです。勤務校では当たり前の机や教室、そして授業にあたる先生が近隣校では圧倒的に不足しています。一人の先生が同じ時間に教室を行ったり来たりして複数の学年を教えている光景もよく目にします。巡回を始めると現場の先生からは授業を担当するように強く求められました。人手が足りなくて困っている彼らの気持ちはわかりますが、先生たちの実験技術を向上させなければ意味がないと考え、実験の授業は必ず理科の先生と一緒に行うようにしています。

ある巡回校の一つで初めて生徒実験を行うことになりました。対象の4年生はこれまで一度も実験を行ったことがありませんでした。簡単な実験でも準備は非常に大変です。必要な器具や試薬は勤務校から持っていき、ペットボトルを切ってビーカーの代わりにします。水道もないため少し離れた井戸の水をバケツに汲んで溶液を作りました。それでも生徒の数に見合うだけの道具は用意できず、狭い机に人だかりを作りながら授業を行ないました。実験はいつもうまくいくとは限りません。予想通りの結果にならないグループもあり、生徒たちは苦戦しながら取り組んでいました。それでも初めての理科実験に、こちらが指示をする声も聞こえないほど盛り上がり、たくさんの質問が飛び交ったのが印象的でした。

現状では実験を行いたいときに現場の先生から連絡を受け、一緒に実験準備を行って授業に臨んでいます。ただでさえ人手不足の学校で実験準備のための時間を作ることは想像以上に忙しく、先生の負担も大きくなります。卒業試験を間近に控えた6月はほぼ毎日のように近隣校を数校巡回し、1日に3校を訪問して実験指導を行ったこともありました。一筋縄でいかないことも多いですが、先生たちの熱意と生徒たちの期待に応えられるように、これからも継続して巡回訪問を行っていく予定です。

実験を終えた帰り道、一人の生徒に呼び止められました。「今日はとても楽しかった。次はいつ来てくれるの?」あふれるほどの笑顔に満ちたその表情が、私の背中をまたひとつ押してくれたような気がしました。

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使えそうなものをかき集めて実験準備

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初めての理科実験に生徒はみな興味津々

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生徒の笑顔が励みになります