ボランティアレポート「目指せ!かけ算マスター!」

2019年2月7日

名前:田仲 永和
隊次:2019年度1次隊
職種:小学校教育
配属先:マラウイリロングウェ県リロングウェ教員養成大学
出身地:千葉県木更津市

私は今、小学校教員養成大学(日本の短期大学に相当)で、主に算数指導法の授業を担当しています。日本で小学校教員として9年勤務しての協力隊参加なので、その経験を生かせれば、と思っていましたが、現実はそう甘くはありませんでした。私が普段教えているのは大学生ですが、日本の小学生でも簡単に解いてしまうような問題を長い時間をかけた挙句、結局間違えてしまったり、概念的理解がすっぽり抜けていたりすることもしばしばです。小学校現場で活動している隊員たちからも悲鳴が聞こえてきます。「小学校6年生で、かけ算なのに棒を描いて足していくので、時間がいくらあっても足りない。」「小学校7年生でかけ算九九が完璧に言える子は1割程度。」等。

どうしたら算数の力を伸ばせるのか。問題解決型学習の導入か、効果的な教材の活用方法か、はたまた1クラス200人を超える児童をコントロールする学級経営力の向上か。右往左往しながら、たどり着いたのが、「マラウイの先生にもすぐに使える、子どもがノリノリになるかけ算ソング」でした。

きっかけは、小学校現場で働く隊員のつぶやき「せめてかけ算九九暗記してくれていたら、授業がもっとスムーズにいくのになぁ。かけ算ソングでもあればなぁ。」でした。幸い、私の大学には音楽を作るのが得意な学生がいました。歌詞のもとになる言葉を平松隊員、栗田隊員と考え、その学生に「かけ算暗記ソング、こんな歌詞で作りたいんだけど。」と相談すると、「それは素晴らしいアイディアです。きっとマラウイの教育界に革命をもたらします!やりましょう!」とノリノリ。早速楽曲制作に取りかかり、附属小学校の子どもの声も合わせ、完成に至りました。

現在、各地の小学校でかけ算ソングが取り入れられています。歌が大好きなマラウイの子どもたちは、この歌の時間をとても楽しみにしています。中には「Multiplication(かけ算)」が子どもたちからのあだ名になっている隊員もいるほど。教員養成校附属小学校では、毎回私が行く度に歓声があがり、「TANAKA、早く歌おう!」とテンションが上がりすぎて、落ち着かせるのに多少時間がかかってしまうほどです。

意欲面だけでなく、しっかり学習の成果も現れています。平松隊員の小学校では約2か月間の実施で小学7年生のかけ算評価テストの平均点が45点から71点まで伸びたとのこと。どこまで伸びるか楽しみです。保護者からの評判も上々で、噂を聞きつけた親が担任の先生に「PTAグループにシェアして欲しい」とお願いしてきた学校もあります。歌をきっかけに、子ども・保護者・学校のつながりが深まったことが感じられる、嬉しいエピソードでした。

でも、本当の勝負はここから。歌をどのように使えばより効果的なのか、試行錯誤している最中です。かけ算表やフラッシュカードなど、最初は答え付きの教材から導入し、子どもたちが覚えてきたら徐々に答えを隠し、暗記をより促す方法を実践しています。歌詞を独自にアレンジしている学校もあります。自分たちがマラウイを去った後も定着して残ってほしい。任期残りわずかですが、「1人でも多くの子に、1つでも多くのかけ算九九を暗記してもらう」をスローガンに、かけ算ソング普及活動にみんなで力を合わせて取り組んでいます。

さあ、みなさんも一緒に歌ってみませんか?家でも、学校でも、どこででも!(歌詞より抜粋)

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かけ算ソングをノリノリで歌う教員養成大学の学生たち(田仲隊員)

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答えの部分を隠せるように工夫した教材(平松隊員)

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かけ算ソングが気になって他のクラスからも聞きに来る子が(栗田隊員)