ボランティアレポート「進化する食環境を目指して」

2019年3月28日

名前:川渕 良輔
隊次:2018年度1次隊
職種:栄養士
配属先:ムフェレンベヘルスセンター
出身地:長崎県大村市

「石食べる?」最初は聞き間違いかと思いましたが、何度聞き直しても、やっぱり「石食べる?」。未だに耳慣れしないフレーズですが、私の任地周辺では妊婦の鉄分等を補う食品として、食用の石が販売されています。石と言っても実際は粘土質の土を固めて、乾かして、一口大にしたもので、そのままかじって食べます。しかし、効果のほどは定かではなく、病院では妊婦に推奨されていないとのことです。
任地に赴任してからというもの、食事情については何度も驚かされていますが、他にも、目の前で子供が地面の「土」をモリモリ食べ始めたり、魚の開きならぬ「ネズミの開き」も、これまた美味しそうにモリモリ食べたりしていますが、未だこれらの領域には足を踏み出せずにいます。

こうした食文化は、マラウイをはじめ近隣諸国でも見られると言います。一方で料理の味付けや、調理方法に関してはとてもシンプルです。キーワードは「油」と「塩」。多くの食材が、素揚げされるか、大量の塩と油で炒められます。よく飽きないなと、日々感心させられますが、こうした多様性に欠ける食文化は、低体重をはじめとする健康障害を引き起こすだけでなく、途上国とは無縁と思われがちな、糖尿病や、高血圧等の生活習慣病をも誘発し、マラウイの国民的健康課題としても取り上げられています。

私はマラウイ北部にある、ムフェレンベヘルスセンターにて、地域で入手可能な食材を活かした料理教室を定期開催し、食生活の多様化に取り組んでいます。これまでいくつかのレシピを提案した中でも、野菜入りホットケーキとお好み焼きがとても好評で、「家で作ったら、子どもたちが大喜びしたよ」と、参加者から頂く言葉は、日々の活動の励みとなっています。

ただ、初めてそれらを提供したとき、参加者からは、「ホットケーキ?お好み焼き??何それ??」と、誰も完成品を手に取ろうとはせず、外国人が作る不審な小麦粉料理としか思われていませんでした。そこで、少しでも心の壁を無くすために、ホットケーキは「ジャパニーズ マンダシ(現地語で揚げパン)」、お好み焼きは「ジャパニーズ ピッツァ」と名付けたところ、参加者も料理のイメージが湧いたようで、前回を遥かに上回る好評のうちに教室を終えることができました。外国の料理を紹介する時には、現地でも馴染みがある料理名を使って名前を付けるとより参加者に受け入れられやすいということを学びました。
また、どのレシピにも特別な食材や、調理器具を使わず、簡単、早く調理できる点を考慮したことも好評だった要因かと考えています。
日々の家庭の中で「今日何食べようか?」と会話する時に、料理教室で紹介した料理が食卓に上がるよう、残りの任期でこの料理教室の実施に工夫を重ねていきたいと思います。

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食用の「石」

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母親を対象に行った料理教室のひとコマ

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初めて食べる野菜入りホットケーキに興味津々な母親