ボランティアレポート「パソコン修理指導で国のIT力向上を目指す」

2019年9月3日

名前:白石 孝明
隊次:2018年度1次隊
職種:PCインストラクター
配属先:リロングウェ女子中高等学校
出身地:東京都練馬区

私はマラウイの首都にあるリロングウェ女子中高等学校で、パソコンの教員として活動をしています。普段は授業をしたり、音楽クラブで楽器の演奏を指導したりしています。そんな私ですが、8月14日に市内のパソコン教員を対象にパソコンの修理方法と教室環境の構築方法の習得を目的にワークショップを実施いたしました。16人ほどの先生が参加し、熱心に話を聞いていただけ、現地の全国紙にも掲載されました。ワークショップの最終目的は「学生がより良い学習環境で学習することで国の発展させる」です。そのワークショップの開催に至った背景をお伝えします。

マラウイではIT教育に力を入れています。内陸国で海がありませんので技術での発展を目指すのは当然だと思います。ルワンダなどはそれで成功していますね。パソコンの学習には良いパソコン学習環境が大切です。そこで、授業のかたわら近隣校を巡回しパソコンの修理がてら調査を行いました。その結果、多くの学校はドネーションなどでパソコンを持っているものの、壊れたものを放置したり、動いていても決して良い状態ではなかったりということがわかりました。理由を聞くと「直し方がわからない」、「お金がないから」などの理由が聞かれました。しかし訪問して修理を実施したところ、ある学校では1日で36台を修理することができました。ほかの学校でも同様に稼働率を40%未満から80%以上まで上げることができました。その結果わかったことは
「ほとんどのパソコンは深刻な壊れ方をしていない(簡単に直る、知識不要)」
「修復にお金はほとんど不要(お金は理由にならない)」ということです。

学校は学習に必要な資産があるにも関わらず有効活用していません。それを阻害しているのは知識面や金銭面における「先入観」であることがわかりました。

私はワークショップで、先入観を取り払い自信を持ってもらうことで教員がパソコンを整備して、パソコンの稼働率を上げたいと考えています。その結果、学生によりよい学習環境を提供できるはずです。また、自ら修理を実施するのでは限界があるので、継続性・将来性を期待している面もあります。

また、ワークショップでは、私が開発した"学習環境の構築方法"も紹介、指導しています。LANネットワークを活用し、教員のPCから生徒のパソコンを監視できたり、教員の画面を生徒のパソコンに写すことでプロジェクターがなくても効率的に授業を行ったりすることが出来ます。これらも低コストで構築可能なものです。

今後は全国でワークショップを実施していき、国全体の学習環境の向上につなげていきたいと考えています。

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リロングウェ市内の16名ほどのパソコン教員が参加

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熱心に話を聞いてもらえました

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パソコンの組み立て方など実践的なハードウェア講座を実施