ボランティアレポート「世界柔道選手権東京大会」

2019年11月26日

名前:工藤 龍馬
隊次:2017年度3次隊
職種:柔道
配属先:マラウイ柔道協会
出身地:千葉県市川市

去る2019年8月25日~9月1日に東京で開催された世界柔道選手権大会に、国際柔道連盟(IJF)とJICAマラウイ事務所のサポートのもと、昨年に引き続きマラウイ代表チームのコーチとして、選手3名に帯同して参りました。

去年のバクー大会(アゼルバイジャン)への帯同は、世界最高峰の大会であること、そして直前のオファーであったこともあり正直「私が参加して良いものか?」という想いを抱えてのものでしたが、今年の東京大会については、我々のレベルはさておき、この一年半ずっと付きっ切りで教えてきた選手たちとの参戦で、彼らと一緒に戦うことが出来る喜びを素直に胸に抱いての参加となりました。

とはいうものの、マラウィでは常なることですが準備は当然のように難航。全てがギリギリでした。選手共々前週にモロッコにて開催されたAfrican Gamesからの連戦ということもあり昨年よりもバタバタになりましたが、最終的には公式ゼッケンを用意できなかった等昨年の痛恨のミスもきちんとクリアし、今大回は選手とコーチで試合場に臨み、一緒に戦うことが出来ました。

結果としては昨年と同様3名全員が一回戦負けとなりましたが、中身は昨年とは明確に違うレベル、間違いなくマラウイ柔道の国際試合挑戦の歴史で一番のパフォーマンスを見せてくれました。その戦いぶりはIJFの公式Webサイト内コラム「The quiet rise of the African nations」(注)で紹介されたほどで、私は大舞台で堂々と戦い抜いた3人をただただ誇りに思います。今でも毎日のように昨年と今年の試合のビデオを見比べて、その進歩を確認し一人喜びに浸っています。

ただ、今回はあくまで「頑張りましたで賞」です。勝負ですから、いつかは勝って喜びたい。そのためには、まだまだ足りないものが、選手、コーチ、連盟、全てにわたって沢山沢山あります。去年からは多くの面で明確な進歩が見えた、しかしまだまだここからです。

今回、柔道の、そして自分自身の母国である日本、柔道の聖地日本武道館で行われる世界最高峰の大会で、マラウイの代表として自分が教えてきた選手たちと一緒に闘えたことは本当に光栄で幸せなことでした。また、私の前任、前々任、同期やOBを含めた他国の柔道隊員、そして各国の指導者、選手たちとの交流も出来、本当に貴重な機会となりました。

頂いたチャンスから何を学び、持ち帰り、どう活かすのか。本当に大事なのは常にそこです。私に残された任期はあと僅かですが、選手、コーチ、協会、皆で一緒に、更に少しでも前に進んで行きたいと思います。

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講道館/嘉納治五郎師範像前にて引率の教え子たちと

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ハリエット(教え子の一人)の試合

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組み合わせ抽選会